JLS(Jacket Lift System)によるジャケット撤去
船体の大きさ、総トン数で世界最大の作業船「Pioneering Spirit」で新しく搭載されたJLS(Jacket Lift System)が完成し、ジャケット撤去の初仕事を完了したようです。
撤去されたのはイギリスのシェトランド諸島から北東へ約128kmの北海に位置する「ニニアン油田」。中央、南部、北部という3つのプラットフォームの内、今回撤去したのは ”Ninian North”と呼ばれる石油プラットフォームの基礎ジャケット部分。
撤去したジャケットの重量は8,100トン。高さは83mだそうです。JLSビームの長さが170mなので、横に倒した時にだいたいJLSビームの半分くらいになってます。
ただ、ニニアン油田がある海域の水深は約140m。撤去したジャケットの高さ分を引くと約60m。結構な大きさでジャケットの下側が現地に残ってるように思いますが、そこも撤去するのかは不明。ですが、多分しないでしょうね。
2020年にトップサイドを撤去
今回、新しいJLSで撤去されたのは基礎部分のジャケットですが、2020年にその上に設置されていた上部構造物のトップサイドも「Pioneering Spirit」で撤去されています。
Ninian North
ニニアン油田の概要。
イギリス、シェトランド諸島の北東約128kmの北海(水深 134 ~ 149m )に位置する油田。
1974年に発見され、油は1978年に、ガスは1982年に生産開始。海上施設はプラットホーム3基。生産された原油は海底パイプライン(口径36インチ、長さ168km)でサランボ・ターミナルへ、ガスはパイプライン網経由でセントファーガスへ送られていた。
”Ninian North”では、1981年6月に89,587バレル/日のピーク産油量を記録。2017年に生産を終了。
関連動画
Pioneering Spirit’s Jacket lift system mini documentary – episode 3
Pioneering Spirit delivers Ninian Northern Jacket to Dales Voe, Lerwick Harbour
陸揚げする場所へ入港するところで動画は終わっていますが、どうやっておろすのか不明。
巨大作業船「Pioneering Spirit」
クレーン 吊上能力 | 5,000トン吊×1 600トン吊×1 50トン吊×3 |
Topsides リフト容量 | 48,000トン |
Jacket リフト容量 | 20,000トン |
長さ | 477m |
幅 | 124m |
深さ | 30m |
建造年 | 2013年 |
所有会社 | Allseas |
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