Van OordのSEP船「Boreas」進水

Van OordのSEP船「Boreas」進水 起重機船、クレーン船
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Van OordのSEP船「Boreas」進水

進水したSEP起重機船「Boreas」
出典:Van Oord

2024年5月14日、Van Oordは中国の山東省烟台市にあるYantai CIMC Raffles Offshore(烟台中集来福士海洋工程)で建造しているSEP起重機船「Boreas」が無事に進水したと発表。Van Oordのコーポレートカラーであるブルーの船体にオレンジのラインが入ったスタイリッシュな船体が進水する様子を画像で公開しました。

今後は、吊り上げ能力3,000トン以上のメインクレーンやレグの延長作業、そして海上公試を含む各種検査を経て、2025年に市場投入される予定。完成・引き渡しのスケジュールについて明確な記載はありませんでした。

「Boreas」の建造契約締結が発表されたのは2021年10月。その後、2022年7月に建造を開始しており、他のSEP起重機船と比較すると少し建造期間が長いような気もします。「Boreas」に搭載されるHuisman製のメインクレーンは、吊り上げ能力3,000トン以上。完成するとJan De Nulの「Voltaire」に並ぶ世界最大級のSEP起重機船が誕生する。

完成後は、オランダの「Hollandse Kust (west) lot VI」、ドイツの「Nordseecluster wind project」でそれぞれ単機出力15MWの風力タービン設置作業で配備されることが明らかにされています。

SEP起重機船「Boreas」の建造タイムライン

SEP起重機船「Boreas」の建造タイムライン
  • 2021年10月
    Van OordがSEP起重機船の建造を発表

    Yantai CIMC Rafflesとの建造契約締結

  • 2022年7月
    建造開始

    Steel Cutting Ceremony(鉄鋼切断式)

  • 2022年12月
    起工式

    Keel Laying Ceremony(起工式)

  • 2024年5月
    進水
  • 2025年
    市場投入(予定)

SEP起重機船「Boreas」の概要

SEP起重機船「Boreas」は、長さ176m、幅63m、深さ13.2m、搭載されるクレーンはHuisman製で、吊り上げ能力3,000トン以上。レグ長さは127.4m、最大作業水深は80m。

これまでのSEP起重機船と大きく違う「Boreas」の特長として、メタノール2元燃料船であるという点が挙げられます。従来の化石燃料を使用する方法に比べて、CO2排出量を78%以上削減。高度なアクティブエミッション制御技術(選択的触媒還元)によりNOx排出量を抑え、6,000kWhのバッテリーパック設置でピーク負荷に耐えるとともに燃料消費量をさらに削減できるという。

船名Boreas
クレーン能力3,000トン以上
長さ176m
63m
深さ13.2m
レグ長さ127.4m
作業水深最大80m
載荷重量トン20,000トン以上
SEP起重機船「Boreas」の概要
船体設計Knud E Hansen(デンマーク)
建造Yantai CIMC Raffles Offshore(中国)
クレーンHuisman(オランダ)
エンジンWärtsilä(フィンランド)

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