台湾で建造中の「Green Jade」4,400トンの荷重試験に成功
台湾南部の高雄市にある台湾国際造船股份有限公司(CSBC)で建造している4,000トン吊りクレーン船「Green Jade」(環海翡翠)の荷重試験が実施され、無事に終了したようです。
CSBCの掲載記事によると、「Green Jade」の荷重試験が開始されたのは6月6日23時。4,000トンの最大クレーン容量に対して1割増しとなる重量4,400トンに調整された台船をテストウェイトとして吊り上げる荷重試験が6時間30分かけて実施され、終了したのは6月7日午前5時30分。
そして、荷重試験の成功後に開かれたのが👆の祝賀式典。そう言われて見ると壇上に上がっている皆さん疲れているようにも見えますが、大きな山を乗り越えた達成感で安堵しているようにも見えます。
「Green Jade」に搭載されている吊り上げ能力4,000トンのメインクレーンは、Huisman製で2022年8月頃に設置が行われています。設置作業を行ったのは日本最大の起重機船「海翔」。
4,000トン吊り自航式クレーン船「Green Jade」
出典:CSBC
「Green Jade」は、台湾国際造船股份有限公司(CSBC)とベルギーのDEME Offshoreとの合弁会社であるCSBC-DEME Wind Engineering (CDWE)が建造。完成後は、風力タービン基礎や洋上変電所の輸送・設置作業を行うという。
2020年の建造開始当初は2022年末に完成・引き渡し予定でしたが、2022年4月の進水時点で完成は2023年初頭という発表に変更されました。というのも、建造期間中に起きた新型コロナウイルス流行やロシアのウクライナ侵攻、為替レートの急激な変動、労働力や資材不足の影響により多くの問題に苦しめられたそうです。それらを乗り越えて今回のクレーン検査だったようで、感慨もひとしお。
「Green Jade」に搭載されているクレーンはHuisman製のマストクレーン(mast crane)と呼ばれるタイプ。最大揚程は165mですが、船上に設置されているクレーンポストの高さは135mあるそうです。相当な高さなので、SEP船並みに入港できる港や航行できるエリアが制限されそう。
- 2020年9月建造開始
- 2022年4月Launching 進水式
- 2022年8月
- 2023年6月メインクレーン荷重試験完了
船名 | Green Jade(環海翡翠) |
吊上能力 | 4,000トン吊 |
長さ | 216.5m |
幅 | 49.0m |
深さ | 16.8m |
推進器 | アジマススラスター 4×4,500kW 格納式スラスター 2×4,200kW トンネルスラスター 2×2,500kW |
DPS | DP3 |
甲板スペース | 168m×49m |
甲板強度 | 20t/m2(ダブルデッキ) |
宿泊設備 | 160人 |
建造年 | 2023年 予定 (建造開始:2020年9月) |
建造場所 | CSBC’s shipyard in Kaohsiung:台湾 |
所有会社 | CDWE (CSBC[台湾]とDEME Offshore[ベルギー]の合弁会社) |
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