世界最大のクレーン船「Sleipnir」、5年毎のクレーン負荷試験
ノルウェーのスタバンゲルにあるアモイフィヨルド(Åmøyfjorden)で実施されていた世界最大のクレーン船「Sleipnir」のクレーン負荷試験が無事完了。
今回おこなわれたテストは5年に一度の検査に伴うものということなので、2019年に建造されてから初めてのクレーン検査なのかもしれません。大規模な検査は長期間のメンテナンスおよび各種機能チェックの後に実施され、「Sleipnir」が搭載する全てのクレーンについて試験を実施。メインクレーン2基の10,000トン、2,500トン、200トンという各フックブロックに加えて、甲板に搭載しているクローラークレーンや台座クレーンの試験も実施されたそうです。
世界最大クラスのクレーン船に搭載されているクレーンの検査自体が珍しい作業なので、どの画像を見ても興味深い。これまではテストウェイトを吊り上げる時の幾何学的なワイヤリングを見るのが楽しみでしたが、吊具の技術的な開発が進んだ結果なのか、吊り点数は減少し非常にスッキリしているのが少し残念。
10,000トンフックのテストウェイトは全長122mの台船
出典:LinkedIn | Yoeri Brouwers(Specialist Technical Superintendent – Cranes at Heerema Marine Contractors)
10,000トンフックの負荷試験にテストウェイトとして使用されている台船はHeerema社の「H-408」。形状は長さ122m、幅36.6m、深さ7.6m。台船「H-408」の自重は不明ですが、10,000トンフックの負荷重量には到底及ばないため、バラストを注入して重量を調整していると思われる。
クレーン検査に向けて1年間準備
「Sleipnir」で実施されたクレーン検査の様子をLinkedInに投稿したHeerema Marine Contractorsのクレーン専門技術監督であるYoeri Brouwers氏は、約1年間に及ぶ準備、経験豊富な乗組員、そして複数の下請け業者の協力により、予定されたスケジュール内に検査を実行することが出来たと説明しています。
クレーン検査用にカスタマイズされた台船「H-408」や吊具の他に、ウォーターバッグ、バラストブロック、テストポンツーンなどが使用されており、検査前のメンテナンスを含めて漏れなく段取りするのは大変そうですが、準備期間1年というのは少し驚き。
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