WFOが2023年レポートを発行 世界で9.8GW増加

WFOが2023年レポートを発行 世界で9.8GW増加

2024年4月23日、WFO（World Forum Offshore Wind：世界洋上風力フォーラム）が「Global Offshore Wind Report 2023」を発行。

WFOによる洋上風力に関する前年データのレポートはこれまでだと2月頃に発表されていましたが、今回は例年に比べて2ヵ月程遅れたようです。近年、急速に拡大している世界の洋上風力発電市場を集計されたデータ・数値で見ると把握しやすいため、レポートの発表を待ち遠しく思っていました。

「Global Offshore Wind Report 2023」を見ると、世界各国から飛び抜けた中国の驚異的な成長は相変わらずのようですが、世界全体の洋上風力開発も規模が拡大してきていることをデータが示しています。

レポート(本文)リンク先：Global Offshore Wind Report 2023

過去のWFOレポートに関する記事

2023年に世界で設置された洋上風力発電設備容量は9.8GW

2023年に世界で運転を開始した洋上風力発電所は25、発電設備容量の合計は9.8GW。2022年の9.4GWと比べて0.4GWの微増。

2023年の設置容量9.8GWのうち、中国のみの設置容量だけで約5GWと説明されています。レポートの中で国別設置容量の数値が示されており、今回のデータ（2023年）から前回のデータ（2022年）を差し引くと中国の設置容量は5.964GW、世界全体の60.8％。

2023年に中国で設置した洋上発電設備容量は5割を超えているため、中国1国の設置容量は中国を除いた全世界の設置容量よりも多いという数値になっています。

世界の洋上風力発電設備容量は67.4GW

2023年末時点で世界の累積洋上風力発電設備容量は、前年末の57.6GWから9.8GW増加して67.4GW。そして、累積容量で世界第一位の中国は31.527GW、約47％を占めています。

世界で稼働中の洋上風力発電所は282あり、その内訳はアジアに158、ヨーロッパに122、アメリカに2となっているという。

世界で建設中の洋上風力発電設備容量は16.2GW

2023年末時点で建設中の洋上風力発電設備容量は16.2GW。

ここでも中国はトップとなっており、総発電容量6.3GWを建設中。次いでイギリスが3.9GW、そして台湾が2.4GW。韓国は現在、これまでで国内最大となる発電容量100MWのJeju Hallim Offshore Wind farmを建設している。

日本でも「北九州響灘洋上ウインドファーム」と「五島市沖洋上風力」を建設していますが、なぜかデータに含まれていませんでした。レポートには建設中の洋上風力発電所に関する個別データも示されていますが、記載されている32の洋上風力発電所の中に日本のデータはありません。これは、建設中（under construction）の定義が ”最初の基礎設置” とされていることに関係しており、2023年のデータにはカウントされていないようです。

国別の洋上風力発電設備設置容量

2023年に契約締結した風力タービンメーカートップはSiemens Gamesa

レポートによると2023年に契約締結された洋上風力タービンは、22.9GW。

全体の33％を獲得してトップとなった風力タービンメーカーはSiemens Gamesa。次いで2位はVestas（3.1GW）、3位はMing Yang Smart Energy（1.8GW）。

2018年から2023年の長期スパンで見てもトップは変わらず、市場シェア26％でSiemens Gamesa。2位はMing Yang Smart Energy（13％）、3位はVestas（10％）。

世界の洋上風力発電所一覧（マップ検索も出来るよ！）