1,600トン吊りSEP船「中天31」14MW風力タービン設置
中天31首秀!广东省首台最大单机容量海上风电机组顺利安装完成
(中天31デビュー! 広東省で最大の単体容量を備えた初の洋上風力タービンの設置に成功した。)
https://www.chinaztt.cn/news/show-53305.html
2023年9月25日、江蘇中天科技股份有限公司は広東省の沖合で建設している中広核恵州港口洋上風力発電プロジェクトで出力14MWの風力タービン設置が完了したことを明らかにした。設置をおこなったのは2023年8月に完成・引き渡しされたばかりの1,600トン吊りSEP起重機船「中天31」(Zhong Tian 31)。中天科技と金風科技(Goldwind)の合弁会社である金風海洋工程有限公司が出資して建造したもので、建造費用はおよそ15億人民元、日本円に換算すると300億円。
総発電容量1GWの中広核恵州港口洋上風力発電プロジェクトで設置されたという説明ですが、同プロジェクトは一、二 PA、二 PBという3つのエリアで構成されており、その中のどこに設置されているのかはよく分からない。
名称 | 容量 | 風力タービン |
---|---|---|
中広核恵州港口一 (CGN Huizhou Ⅰ) | 400MW | 5.5MW×73基 |
中広核恵州港口二 PA (CGN Huizhou II PA) | 300MW | 5.5MW×55基 |
中広核恵州港口二 PB (CGN Huizhou II PB) | 296MW | 8MW×4基 12MW×22基 |
環境影響評価の概要に記載されている風力タービンの出力には14MWの記載はありませんでした。あくまでも環境影響評価の概要なので、公表後に出力が変更されたものと思われる。先日、完成・引き渡しされた2,500トン吊りSEP船「海峰1001」が中国広核恵州港口二 PBで出力12MWの風力タービン25基を設置することが報じられていたので、二 PBの風力タービンはすべて12MWなのかもしれません。なのでSEP船「中天31」が14MWの風力タービンを設置したのは、一か二 PAの可能性が高い。
SEP起重機船「中天31」のAIS情報による位置
SEP起重機船「中天31」のAIS情報を確認すると9月5日に建造場所の江蘇省 南通市を出港し、9月11日に山東省 恵州市に到着。そして、9月15日に沖合へ移動して現在地付近の風力タービン設置エリアに来ている。AISのマップに設置エリアを重ねてみるとSEP起重機船「中天31」は、二 PAと二 PBの間くらいにいました。
設置した14MW風力タービンのハブ高さは149.7m
中天科技の掲載記事によると、設置した14MW風力タービンのローター直径は252m、ハブ高さは149.7m。しかし、SEP起重機船「中天31」の揚程はメインフックで甲板上165m、補助フックで甲板上183mという驚異的なスペックなので、画像からもかなり余裕があることが分かります。
完成・引き渡しされて1ヶ月で初仕事が14MWの風力タービン設置はスゴイ。
船名 | 中天31 (Zhong Tian 31) |
クレーン能力 | 1,600トン |
最大揚程 | (主)甲板上165m、1,600トン吊り (補助)甲板上183m、500トン吊り |
長さ | 139.1m |
幅 | 50m |
レグ長さ | 不明 |
最大作業水深 | 70m |
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