アルゼンチンで橋脚に激突した貨物船、事故発生から5日後に離脱
2024年2月2日午前11時頃(現地時間)、アルゼンチンのパラナ・デ・ラス・パルマス川に架かるサラテ・ブラソ・ラルゴ橋に衝突した貨物船「EN MAY」を橋脚から引き離す作業がおこなわれ、事故発生から5日後に離脱することが出来たという。
貨物船「EN MAY」は衝突時に破損した船首部分の船体が橋脚コンクリートに挿し込まれており、橋脚への損傷拡大という危険性から動かせない状態が続いていました。
報道されている情報によると、橋脚から離脱させる作業は2月2日午前9時45分から開始。不測の事態に備えて、作業開始前に橋が架かる国道12号線の通行を封鎖し、陸上交通を規制。そして、2隻のタグボートを使用して貨物船を曳き出す作業が約2時間おこなわれ、無事離脱に成功。貨物船「EN MAY」のAIS情報では、下流へ約1.6kmの岸壁に移動していることが確認できました。
ばら積み貨物船「EN MAY」
船名 | EN MAY |
総トン数 | 46,990トン |
載貨重量トン | 85,001トン |
長さ | 228m |
幅 | 36m |
船籍 | リベリア |
建造年 | 2017年 |
建造場所 | 大島造船所 |
5日間の航行禁止による経済損失は数億円の可能性
貨物船「EN MAY」が橋脚に衝突した1月28日から離脱作業がおこなわれた2月2日までの5日間、橋の上を通行する車両は速度制限などの規制があったものの封鎖されませんでしたが、パラナ・デ・ラス・パルマス川の航路は完全に船舶の通航が禁止されていました。
事故により封鎖された川の航路では、1日あたり平均12隻の船と54隻のはしけが通航していたという。今回の航路封鎖により経済損失は数百万ドル、日本円に換算すると数億円にのぼる可能性があるそうです。
【動画】貨物船「EN MAY」を橋脚から引き離す作業
貨物船「EN MAY」を橋脚から引き離す作業を映した動画。貨物船ブリッジからの映像と貨物船の船首付近で撮影された映像の2本。橋脚と衝突した船首部付近の動画では、曳き出す瞬間に接触している船体部分からメキメキと音を立てながら貨物船が橋脚から引き離されていく様子が映されています。
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