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「Bold Tern」クレーンを1,600トンへアップグレード

洋上風力発電
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800トン吊りから1,600トン吊りへ倍増

 ノルウェーのFred. Olsen Windcarrierが所有するSEP起重機船「Bold Tern」のクレーンを800トン吊りから1,600トン吊りへアップグレード。

 搭載されたクレーンはHuisman製のLEC 65500。最大吊上げ能力は1,600トン。アップグレード前に設置されていたクレーンは800トン吊りなので倍増したことになる。

LECとは?

LECとは、Leg Encircling Crane の略。

SEP起重機船のレグがある位置に設置するタイプのクレーン。メリットとして、甲板スペースを有効に活用する事が出来るので、風力発電部材の積載数量で有利。

15MW風車の設置が可能に

 2013年の建造時は3.6MW風車の組立用に設計。今回の1,600トン吊りクレーンへのアップグレードにより、15MW風車の組立が可能になるそうです。

次のアップグレードは「Brave Tern」

 Fred. Olsen Windcarrierは「Bold Tern」を含めて3隻のSEP起重機船を所有していますが、2022年1月に2隻目となる「Brave Tern」のアップグレードを発表しています。

 アップグレード内容は「Bold Tern」と同様、現在800トン吊りのクレーン能力を1,600トン吊りへ引き上げ。2隻目のアップグレードは2024年に完了する予定。

クレーン搭載作業

 クレーンの製造は中国のHuisman China。

 岸壁の2,400トン吊りクレーンで半潜水式運搬船「Seaway Osprey」に搭載して、シンガポールのKeppel FELS yardへ運搬。

Huisman Chinaで「Seaway Osprey」に積込されるクレーン部材
54,000トン積の半潜水式運搬船「Seaway Osprey」
「Seaway Osprey」の運行ルート

 シンガポールにあるKeppel FELS yardでのクレーン搭載作業は「Asian Hercules II」と「Asian Hercules III」の相吊り。

 中国での積込は2,400トン吊りのクレーン1台でやってるのに、設置する時は相吊りしてます。

 理由は、SEP起重機船のレグがあるから

 レグ越しにクレーンを設置する為の揚程が起重機船1隻では確保出来なかったのでしょう。搭載するクレーン重量は不明ですが、積込の時に2,400トン吊りで吊上げ出来ているのでそれ以下は確定。起重機船の吊り上げ能力は「Asian Hercules II」が3,200トン、「Asian Hercules III」が5,000トン。どちらも重量的には1隻で吊り上げ可能。

 部材が長いので吊り位置を広げた状態で、クレーン部材を座屈させないように吊りワイヤーを長くして吊り角度を緩くすると、必然的に1隻での吊上げでは揚程が足りなくなってしまったと考えられます。

5,000トン吊り「Asian Hercules III」
3,200トン吊り「Asian Hercules II」

「Bold Tern」の概要

吊上能力800トン吊
1,600トン吊
※2022年にアップグレード
長さ131.73m
39.00m
深さ9.00m
レグ長さ92.4m
建造年2013年
所有会社Fred. Olsen Windcarrier
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