中国で建造のULSTEIN設計によるSOV2隻が竣工

中国で建造のULSTEIN設計によるSOV2隻が竣工 洋上風力発電
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中国で建造のULSTEIN設計によるSOV2隻が竣工

2024年6月25日、ZPMCで建造していたUlstein設計による上海電気向けSOV「至臻100」「至誠60」の2隻が竣工。

それぞれの船体寸法は「至臻100」長さ93.4m、幅18m、「至誠60」長さ72.76m、幅17.5m。2隻ともDP2の自動船位保持装置を搭載し、ほかにも船から洋上風車へ渡るための動作補償機能をもつギャングウェイやナックルブームクレーン、運用・保守で使用する作業艇、ヘリパッドなどを備えている。

船内にはメンテナンス技術者の長期滞在を可能にする大容量の宿泊設備があり、「至臻100」は100人、「至誠60」は60人の宿泊ができる。

SOV2隻の建造着工は2022年9月。その後、2022年11月に起工式がおこなわれ、2023年9月に進水。2024年4月には、SOV「至臻100」のオフショア機器に関するテストをおこなう様子が報じられていました。

進水時に公表された船名は「至臻」「至誠」という船名後半に数字が無い状態でした。なぜ数字を加えたのかは分かりませんが、それぞれ搭載している宿泊設備の数と同じであるため、滞在できる人数を意味しているようです。分かり易いと言えばそうですけど、”定員超過はダメ” ということを現場に周知しているようにも受け取れる。

船名至臻100
(ZHI ZHEN 100)
至誠60
(ZHI CHENG 60)
型式SX195SX197
長さ93.4m72.76m
18m17.5m
深さ7.6m7.6m
DPSDP2DP2
宿泊設備100人60人
「SX195」と「SX197」の概要

ULSTEIN X-BOW および X-STERNを搭載

竣工した2隻の船体設計は共にULSTEINによるもの。2隻は共通して、ULSTEINのX-BOWとX-STERNと呼ばれる船首および船尾形状を採用しています。

ULSTEINには、X-BOWとX-STERNに続くTWIN X-STERNというデザインもラインナップにありますが、今回の2隻には採用されていない。

X-BOWはinverted bow(逆船首)と呼ばれる船首の形をコンセプトとして設計され、水切角はあるもののほぼ垂直に切り立ち、斧のような外観が特徴的な船首。荒天航行時に船首が水面上に出てしまう事が少ないのでスラミングと呼ばれる船体が水面に叩きつけられる現象が起こりにくい。さらに、波による速度損失が低減され、速力の向上や燃料消費の削減につながるという効果がある。

X-STERNは、X-BOWの効果を船尾側に導入したもの。従来の船型に比べ後進時のスラミングを大幅に低減させる効果があるそうです。

X-BOWを最初に導入した「Bourbon Orca」
出典:ULSTEIN
X-STERNを最初に導入した「WINDEA LA COUR」
出典:ULSTEIN
「TWIN X-STERN」を搭載したイメージ図
出典:ULSTEIN

X-BOWとX-STERNに続くTWIN X-STERNという革新的なデザイン。名前の通り、X-STERNが前と後ろでついになった構造。操作性と燃費を向上させる効果があるそうです。

TWIN X-STERNを初めて採用したCSOVはトルコのTersan Shipyardで始まっており、建造開始時点では2024年の第2四半期に完成・引き渡し予定。メタノール2元燃料エンジンとバッテリー電力貯蔵システムも搭載。

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