ケルチ海峡付近で嵐によりタンカー2隻から油流出
黒海とアゾフ海を結ぶケルチ海峡付近で嵐に見舞われた2隻のタンカー「VOLGONEFT 212」と「VOLGONEFT 239」から流出したとみられる油が付近の海岸に漂着しているそうです。
タンカー「VOLGONEFT 212」(全長136m)の船体は前後に分断し、「VOLGONEFT 239」は船体が損傷して漂流した後、タマン港付近で座礁。ロシアの国営通信社であるタス通信によると、2隻のタンカーには合計で約9,000トンの燃料油が積まれており、ロシア科学アカデミーの衛星画像解析で約3,000トンの油が流出した可能性を報じています。
流出した油はアナパ付近や黒海側の30km以上におよぶ海岸線へ漂着。さらに流出した油は北上し、Zaporozhskyなどでも漂着が確認されているという。
同じ嵐で別のタンカー「VOLGONEFT 109」も被災
これまでに報じられていた2隻のタンカーとは別にタンカー「VOLGONEFT 109」も被災しているという。
タンカー「VOLGONEFT 109」の乗組員14人は無事で船長は避難を拒否し、別の停泊場所を要求していると報じられていますが、どの段階での情報なのかはよく分かりません。さらに、ロシア当局からの情報として、「VOLGONEFT 109」の貨物タンクは損傷したが、船体の完全性は損なわれておらず海への油漏出は発生していないと主張していることが報じられています。
しかし、SNSに投稿されている「VOLGONEFT 109」の状況を見ると船体の大部分は沈み、甲板上を覆う波の一部には流出した油とみられる黒い部分が確認できます。刻一刻と状況が変化しているので対応を躊躇している間に事態が深刻なものになってしまったのかもしれません。
「VOLGONEFT 109」のAIS情報を確認すると、ケルチ海峡北側のアゾフ海にいました。確認できる位置情報は12月17日19時41分を最後に更新されていません。
【動画】深刻な状況に陥ったタンカー「VOLGONEFT 109」
In the Black Sea, the third Russian tanker in three days is damaged. The Volgoneft-109 tanker, carrying fuel oil, issued a distress signal near Port Kavkaz due to a crack in its hull. pic.twitter.com/IifR5ZlP3I
— NOELREPORTS 🇪🇺 🇺🇦 (@NOELreports) December 17, 2024
タンカー「VOLGONEFT 212」
船名 | VOLGONEFT 212 |
長さ | 136m |
幅 | 16m |
船籍 | ロシア |
建造年 | 1969年 |
タンカー「VOLGONEFT 239」
船名 | VOLGONEFT 239 |
長さ | 132m |
幅 | 17m |
船籍 | ロシア |
建造年 | 1973年 |
タンカー「VOLGONEFT 109」
船名 | VOLGONEFT 109 |
長さ | 132.6m |
幅 | 16.9m |
船籍 | ロシア |
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