「BLUE WIND」台湾の海龍洋上風力で14MW風力タービン設置

出典:Hai Long Offshore Wind(Photo credit: Shimizu Corporation)
2025年4月21日、台湾西部の彰化県沖で建設が進められている「Hai Long Offshore Wind」で清水建設のSEP起重機船「BLUE WIND」により、1基目となるSiemens Gamesaの14MW風力タービン「SG 14-222 DD」設置が完了しました。
「Hai Long Offshore Wind」はNorthland Power、三井物産、Gentariで構成されるHai Long Offshore Wind Projectが3つのフェーズに分けて開発を進めている。2A(294MW)、2B(224MW)、3(504MW)では、Siemens Gamesaの14MW風力タービン「SG 14-222 DD」73基と洋上変電所2基を設置する計画。
SEP起重機船「BLUE WIND」が最初に風力タービンを設置したエリアは2A。ブレード長さは108m、ローター直径は222m、全高は230mを超える。Power Boostにより最大15MWの出力に達する風力タービンは、台湾の洋上風力発電所に現在設置されている風力タービンの中で最大級。
風力タービンのナセルは台湾の台中港にあるSiemens Gamesaの生産施設で製造。この生産施設は2022年9月から拡張工事が進められ、2024年1月に稼働を開始。台湾で製造され、洋上に設置した初の「SG 14-222 DD」ナセルになるという。
SEP起重機船「BLUE WIND」に積み込まれた風力タービン部材は2基分


出典:Hai Long Offshore Wind(Photo credit: Shimizu Corporation)
清水建設の掲載情報によると、「BLUE WIND」は最大で8MW風車なら7基、12MWなら3基分の全部材を一度に搭載できると記載されています。
SEP起重機船「BLUE WIND」の甲板上に14MW風力タービン「SG 14-222 DD」を何基分積み込んで施工するのか気になっていましたが、公開された画像によると2基分のようです。このペースで風力タービン73基の施工を進めると設置場所から積込場所の往復回数は37回。仮に3基分積めていたら往復回数は25回に抑えることが出来るため、SEP起重機船の積込容量は施工速度に大きく関わることが分かります。
風力タービン設置時に最も大きな揚程が必要となるナセルを設置する時の画像では、テレスコピッククレーンを拡張した状態でもあまり揚程に余裕が無い状態。「BLUE WIND」ではこれ以上大きな風力タービンを設置することは難しそう。
2,500トン吊りSEP起重機船「BLUE WIND」

出典:SHIMIZU CORPORATION
船名 | BLUE WIND |
クレーン能力 | 2,500トン |
揚重高さ(2,500トン仕様) | 116.5m |
揚重高さ(1,250トン仕様) | 158.5m |
長さ | 142m |
幅 | 50m |
深さ | 11m |
喫水 | 6.2m |
総トン数 | 28,000トン |
DPS | DP2 |
建造年 | 2022年 |
搭載可能重量 | 10,000トン |
デッキ強度 | 10t/m2 |
デッキスペース | 4,600m2 |
レグ長さ | 90m(最大109m) |
スパッドカン | 160m2 |
アジマススラスター | 3,800kw(5,167ps)×3 3,200kw(4,351ps)×1 |
トンネルスラスター | 3,200kw(4,351ps)×2 |
最大航行速度 | 11ノット |
最大乗船人数 | 130名 |
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