中国でHeeremaのフロートオーバー台船「H-731」建造開始

2025年12月11日、Heerema Marine Contractorsは中国の浙江省岱山県にある南通中集太平洋海洋工程(Nantong CIMC Sinopacific Offshore & Engineering)でフロートオーバー台船「H-731」の鉄鋼切断式(Steel Cutting Ceremony)をおこない、建造開始を発表しました。
フロートオーバー台船「H-731」は、送電容量2GWのHVDC(High Voltage Direct Current:高圧直流送電)洋上送電網接続システム14基を2032年までに北海で設置するというTenneTの2GWプラグラム専用に建造。
引き渡し予定は、2027年第2四半期。
Heeremaは安全性、効率性、持続可能性を重視し、洋上建設におけるイノベーションに引き続き取り組むとした上で、フロートオーバー台船「H-731」は世界的なエネルギー転換目標を支える大規模洋上風力発電プロジェクトの実現に向けた重要な一歩となると述べています。
フロートオーバー台船「H-731」

2025年1月にHeeremaがフロートオーバー台船の建造を発表した時、船名「H-731」や船体寸法は明らかにされていませんでした。これまでに分かっていたのは、TenneTの2GWプラグラムで設置するトップサイドが重量30,000トンを超えるということくらい。
建造開始を発表した情報にはフロートオーバー台船「H-731」に関する概要が掲載されています。
| 船名 | H-731 |
| 長さ | 222.5m |
| 幅 | 幅広部分:70.1m 幅狭部分:46.0m |
| 深さ | 15m |
| フロートオーバー 施工時の最大積載重量 | 40,000トン |
フロートオーバー台船「H-731」の船体寸法は長さ222.5m、幅は広い部分が70.1m、狭い部分が46.0m、深さ15m。フロートオーバー施工時の最大積載重量は40,000トン。
フロートオーバーによるトップサイド設置
フロートオーバーとは、主に基礎ジャケット上へトップサイドを設置する時にクレーンで吊り上げることなく輸送船のみで設置する方法。
参考までに当ブログで取り上げたフロートオーバーによるトップサイド設置の記事リンクをどうぞ。
| プロジェクト | 重量 | 船名 | 施工日 | リンク先 |
|---|---|---|---|---|
| 恩平20-4 | 15,000トン | 海洋石油278 | 2023年5月 | |
| Jerun-A | 14,000トン | Forte | 2024年3月 | |
| 惠州26-6油田 | 17,000トン | 海洋石油228 | 2024年5月 | |
| アル・シャヒーン油田 | 17,818トン | Forte | 2024年9月 |


出典:Boskalis

出典:龙de船人

出典:Boskalis
中国からヨーロッパへの輸送方法は?
中国で建造しているフロートオーバー台船「H-731」をヨーロッパまでどのようにして輸送するのでしょうか?
非自航式の台船なので自航することは出来ない。距離的に曳航するリスクを考えると、半潜水式運搬船に搭載して運ぶのが最善なのかも。船体の大きさを考えると、Boskalisが所有する半潜水式運搬船「BOKA Vanguard」で輸送する可能性が高そう。
「BOKA Vanguard」は最近、長さ357m、幅70mという巨大なフローティングドック「East End」を中国からバハマへ輸送した実績があります。






















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