米橋崩落事故、コンテナ船浮上に向けて橋桁を爆薬で精密切断する計画
2024年5月8日、メリーランド州ボルティモアで起きたフランシス・スコット・キー橋崩落事故の対応をおこなうUSCG(米国沿岸警備隊)やUSACE(米国陸軍工兵隊)などで構成するUnified Command Organizations(統合司令部)は、コンテナ船「DALI」の船首左舷側にのしかかるセクション4と呼ばれる橋桁の撤去について少量の爆薬を使用して精密切断する計画であることを明らかにしました。
”橋桁を爆破して解体”
船首部分に乗っている橋桁重量によって座礁した状態のコンテナ船「DALI」は現況だと安定していますが、撤去を進めていくと何処かのタイミングで船体が浮上し、不安定な状態になることは容易に想像出来る。橋桁を撤去可能な大きさに切断する作業では、クレーン船で吊り上げたゴンドラや高所作業車を作業床にしており、橋桁が想定外の動きをすると作業員の安全性を確保できない。
爆破解体という一見すると荒っぽい方法のように思えますが、施工上のリスクを考慮して選定された方法のようです。統合司令部も発表情報の中で人的リスクを軽減し、安全かつ効率的に撤去作業を進めるための方法だと説明しています。
爆破による精密切断に向けた準備作業
出典:U.S. Army Corps of Engineers
2024年5月9日、コンテナ船「DALI」船首左舷側にある橋桁セクション4の精密切断に向けた準備作業の様子が公開されました。
橋桁の鉄骨部分を一部切断後、残っている鉄骨部分に棒状の爆薬を配置。爆破した時に破片が飛散するのを防止するため、ゴム製のマットで爆破部分を覆い隠しているようです。
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