3,000トン吊りクレーン搭載の半潜水式クレーン船完成、中国出港
中国の招商局重工(CMHI)海門基地で建造していたSeaway7の「Seaway Alfa Lift」が引き渡され、中国を出港したという。当初予定していた2022年初頭という完成時期は、建造中の事故により大幅に遅れてしまいましたが、何とか引き渡しまで辿り着けたといった感じでしょうか。ですが、完全に完成したわけでは無さそう。
船体設計を手掛けたUlsteinの掲載情報によると、モノパイルやジャケットなど風力タービンの基礎設置作業を主眼に建造した「Seaway Alfa Lift」にとって重要な設備であるモノパイルハンドリング機器がまだ設置されていないという。その機器の主要要素は2022年末に中国から輸送が開始され、「Seaway Alfa Lift」はヨーロッパで機器設置と試運転をおこなう予定になっているらしい。
モノパイルハンドリング機器を中国製造していたのならば、設置後に中国を出港しても良さそうですけど、実際どのような理由からヨーロッパで設置・試運転という流れになったのかは不明。そして、今回の「Seaway Alfa Lift」引き渡し・中国出港に関してSeaway7から情報発信はされていない。
「Seaway Alfa Lift」の概要
- 2019年3月First Steel Cutting Ceremony 鉄鋼切断式
- 2019年10月Keel Laying Ceremony 起工式(キール敷設)
- 2021年2月Launching 進水式
- 2021年10月オーナー企業変更
OHT (Offshore Heavy Transport) → Seaway 7へ
- 2021年10月格納式Aフレームに関する事故発生
- 2023年7月Delivery 引き渡し
「Seaway Alfa Lift」は、3,000トン吊りのクレーンを搭載し、自航式でDP2を備えたクレーン船であることに加え、半潜水式という性能を持つ世界でも珍しいクレーン船。Seaway7のウェブページでは船体寸法などの概要について掲載されていないので、船体設計を手掛けたUlsteinの掲載情報を参照。
船名 | Seaway Alfa Lift |
載貨重量トン | 48,000トン |
クレーン能力 | 3,000トン |
長さ | 216.3m |
幅 | 56m |
最大デッキ深度 | 14.66m |
甲板スペース | 10,000m2 |
最大速力 | 13ノット |
宿泊設備 | 100人 |
DPS | DP2 |
アジマススラスター | 3×5,500kW |
格納式スラスター | 1×3,000kW |
トンネルスラスター | 3×3,000kW |
甲板強度 | 30トン/m2 |
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