SEP船「Wind Orca」のアップグレード作業開始
CadelerのSEP船「Wind Orca」クレーンアップグレード作業が開始され、既設クレーンの旋回体(重量:850トン)を撤去する様子がGustoMSCによって公開されました。作業場所近くにあるGustoMSCの3階建て事務所越しに撮影された画像では、建物より高い位置で作業する様子が写っています。スゴイアングル。
CadelerのSEP船「Wind Orca」と「Wind Osprey」は、1,200トンから1,600トンへクレーン能力の増強が予定されており、クレーンの設計・製造を手掛けるのはGustoMSC。クレーンの交換作業は、それぞれ2023年第4四半期と2024年第1四半期に開始され、2024年3月までに完了する予定。
レグの干渉を避けるため高い位置までジャッキアップ
出典:GustoMSC
出典:YouTube | Mammoet
SEP船「Wind Orca」でおこなわれている既設クレーンの撤去作業では、ギリギリまでジャッキアップした状態で作業がおこなわれています。その理由は、LEC(Leg Encircling Crane)と呼ばれるレグの位置にクレーンが搭載されており、撤去や設置作業で吊荷とレグが干渉することを避けるため。
よく考えられた施工方法だと思いますが、実施する上で問題となるのは作業をおこなうクレーンの揚程。
この問題をクリアするために作業場所には、Mammoetの最大3,200トン吊りリングクレーン「PTC210-DS」を設置。とんでもないビッグプロジェクト。SEP船アップグレードに伴うクレーンの交換作業やレグ延長などは今後も需要がありそうなので、もしかすると今回だけのためではなく今後の作業も想定されているのかもしれません。
運搬船「Happy Sky」は2基目のクレーンを運ぶため韓国へ
出典:GustoMSC
アップグレードで載せ替える新設クレーンは、2023年9月に重量物運搬船「Happy Sky」によって製造場所の韓国からオランダへ運ばれており、1基目は既に到着しています。その後、運搬船「Happy Sky」は現在オランダから韓国へトンボ帰りしている最中で、韓国に到着すると2基目の新設クレーン部材を積んで再度オランダへ運搬する予定になっているという。
重量物運搬船「Happy Sky」の概要
船名 | Happy Sky |
総トン数 | 15,989トン |
載貨重量トン | 17,775トン |
長さ | 154.8m |
幅 | 26.5m |
搭載クレーン | 900トン×2基 |
出典:Biglift Shipping
GustoMSCのプロジェクトを紹介する特設ページ
CadelerのSEP船「Wind Orca」と「Wind Osprey」のクレーンアップグレードプロジェクトについて、これまでの作業の様子や更新情報などを紹介する特設ページがGustoMSCによって開設されています。
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