作業員輸送船が風力タービンに衝突
2020年4月23日に起きた作業員輸送船が風力タービンに衝突した事故。
事故が起きたのはドイツのボルクム島から37km沖合にある「Borkum Riffgrund 1」。ドイツ初の洋上風力発電所でシーメンスの4MW風力タービン78基で構成され、総発電容量は312MW。2013年に建設を開始、2015年10月から運転開始。77基のモノパイル基礎と1基のサクションバケットジャケットを採用している。
事故当日、作業員輸送船「Njord Forseti」は早朝にエームスハーヴェンを出港し、「Borkum Riffgrund 1」の北側に位置する「Merkur Windfarm」で作業していた。18時過ぎに作業を終え、港へ向けて「Merkur Windfarm」を出発する作業員輸送船には船長他2人の乗組員とメンテナンス技術者1人の4人が乗船。そして「Borkum Riffgrund 1」の横を20ノット(時速37km)で航行していた、次の瞬間。そのままの勢いで風力タービン基礎に衝突。
事故の原因は、操船する船長が座席右側にあるVHFの調整に気を取られ、周囲の確認を怠っていたこと。終始、船長は座席右にあるVHFで何かしているようですが、衝突の直前に前方へ顔を向けます。しかし、時すでに遅くそのまま衝突。
実はこの時、船長の右側の座席には船の機関員が座っていました。その日の午前中に突然停止するトラブルが起きた左舷エンジンの状況確認のため、コンソールの低い位置にあるスクリーンを見ていて、前方の異変には気付かなかったそうです。
衝突した船の右舷船首側は損傷が痛々しいですが、乗船者の方は重傷者がでたものの、命に別状は無かった。
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