戸田建設など6社の共同出資会社でSEP船を共同保有へ
2023年10月3日、戸田建設など6社による共同出資会社は、SEP船の共同保有を発表。2022年3月に洋上風力施工船舶の保有等を目的とした共同出資会社 Jack-up Wind Farm Construction株式会社 を設立。洋上風力タービンの大型化を見据え、15MW級超の基礎施工や風力タービン据付が可能なSEPについて検討をおこなっていたという。
保有するSEP船は、2025年3月に改造が完了し、2025年9月から供用開始の予定。
SEP船「JWFC SUNRISE」(仮)
保有するSEP船は新造船ではなく、既存SEP船を改造する予定で TERAS SUNRISE とSEP船の調達契約を締結。調達するSEP船に搭載されているクレーンを1,300トン吊りに改造して、15MW級超の風力タービン設置に対応するという。レグ長さは130mで最大水深60m程度まで対応可能。船体には6基のスラスターがあり、DPS 2の自動船位保持装置を搭載していますが、非自航式。
船名 | JWFC SUNRISE(仮称) |
クレーン能力 | 1,300トン |
長さ | 112m |
幅 | 50m |
レグ長さ | 130m |
最大作業水深 | 60m |
DPS | DPS 2 |
建造年 | 2014年 |
改造予定 | 2025年3月改造完了 2025年9月供用開始 |
SEP船イメージ図のような高い台座に搭載されているクレーンを見ると、中国で揚程アップグレードの改造を施されたSEP起重機船「港航平9」(GANG HANG PING 9)を思い出してしまう。クレーン台座の嵩上げにより揚程は110mから132mへ増加。街なかのビルに換算すると、およそビル7階分の高さの台座を嵩上げ。
特に、改造されてから事故や不具合は報告されていませんが、嫌な予感しかしない。
JWFCが調達したと思われるSEP船「TERAS SUNRISE」
船名 | TERAS SUNRISE |
クレーン能力 | 750トン×2 |
長さ | 104.55m |
幅 | 50m |
レグ長さ | 130m |
建造年 | 2014年 |
出典:Huisman
保有する予定のSEP船について、イメージ図で確認できる船体形状やトラス構造のレグ、船体寸法、仮称の船名などから推測すると「TERAS SUNRISE」である可能性が高そう。
SEP船「TERAS SUNRISE」の船体寸法は、「JWFC SUNRISE」(仮称)とほぼ同じで、Huisman製の750トン吊りクレーン2基を搭載している。なので船体構造的に1,300トン吊りへアップグレードをおこなっても大幅な補強が必要ないという利点があるのかもしれない。
発表記事に掲載されているDPS階級 ”DPS 2” という表記からアメリカ船級協会(ABS,American Bureau of Shipping)での船級登録が推測されますが、中国船級社(CCS,China Classification Society)でも船級登録されていました。ちなみに、ABSで登録されている船名は「CHANG DE」(船籍:中国)、CCSの方が「TERAS SUNRISE」(船籍:シンガポール)となっている。
SEP船「TERAS SUNRISE」の現在地
SEP船「TERAS SUNRISE」のAIS情報を調べてみると、中国の浙江省 舟山市にある岱山島の北側にいました。今後、どこで改造がおこなわれるのかは不明。
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