CadelerがA-class3隻目のSEP船発注、約620億円

起重機船、クレーン船

2024.05.24

CadelerがA-class3隻目のSEP船発注、約620億円

CadelerがA-class3隻目のSEP船発注、約620億円

2024年5月22日、CadelerはCOSCO SHIPPING HEAVY INDUSTRY（中遠海運重工）にA-classと呼ばれるシリーズ船3隻目となるSEP起重機船「Wind Apex」を発注したことを明らかにしました。引き渡し予定は2027年上半期。

Cadelerは現在、SEP起重機船4隻を保有し、6隻の新造船を建造中。このたび発注した「Wind Apex」はCadelerの保有船として11隻目となる。プレスリリースの中で、業界最大のジャッキアップ式洋上風力設置船団を継続的に拡大することで、Cadelerは成長する市場の需要に応える準備ができていると述べています。最新鋭のSEP船をこれだけの隻数揃えてたら確かに設備としては申し分ない、不安な点と言えば操作する人員確保くらい。

A-class3隻目のSEP船建造価格は約4億ドル、日本円に換算すると約620億円（1ドル＝155円として換算）。

既に保有しているSEP船（4隻）

船名	クレーン能力
Wind Orca	1,600トン
Wind Osprey	1,600トン
Wind Scylla	1,500トン
Wind Zaratan	800トン

建造中又は建造予定のSEP船（7隻）

船名	クレーン能力	完成予定	建造場所
Wind Apex	未公表	2027年上半期	COSCO(中国)
Wind Ace	3,000トン以上	2026年後半	COSCO(中国)
Wind Ally	2,600トン	2025年末	COSCO(中国)
Wind Pace	2,600トン	2025年前半	COSCO(中国)
Wind Peak	2,600トン	2024年後半	COSCO(中国)
Wind Mover	2,600トン	2025年第2四半期	Hanwha(韓国)
Wind Maker	2,600トン	2024年第3四半期	Hanwha(韓国)

SEP起重機船「Wind Apex」の概要

**これまでに建造が発表されていた2隻のA-class SEP船「Wind Ace」と「Wind Ally」**
**出典：Cadeler**

建造発注を明らかにしたプレスリリースによると、SEP起重機船「Wind Apex」はこれまでに発表されている2隻のA-classと同じ仕様だという。

搭載されるクレーン能力については未公表となっており、後日公開される予定。甲板面積は5,600m²、積載容量は17,000トンを超え、15MWの風力タービン7セット又はXXLモノパイル（直径8m～11m）6セットの輸送・設置が可能。

クレーン能力は未公表すが、A-classのSEP起重機船には ”短期間で基礎設置船から風力タービン設置船に転換できる” という独自のハイブリッド設計を備えており、アピールポイントの1つにしています。テレスコピッククレーンを採用しているんだと思うんですが、 ”テレスコピッククレーン” や ”ブームが伸縮する” といった説明は一切ないので全く別の機能が搭載されている可能性も十分考えられる。以前から気になっていますが、一向に解決されないので早く建造した姿を見たい気持ち。

建造状況

船名	建造番号	クレーン能力	着工	起工	進水	引き渡し予定
Wind Peak （P-class①）	N1063	2,600トン	2022年6月	2023年7月	2024年1月	2024年第3四半期
Wind Pace （P-class➁）	N1064	2,600トン	2023年2月	―	―	2025年第2四半期
Wind Ally （A-class①）	N1130	2,600トン	2023年9月	―	―	2025年第3四半期
Wind Ace （A-class➁）	未定	3,000トン以上	―	―	―	2026年第3四半期
Wind Apex （A-class③）	未定	未公表	―	―	―	2027年上半期
Wind Maker （M-class①）	No.3306	2,600トン	？	2024年3月	―	2025年第1四半期
Wind Mover （M-class➁）	未定	2,600トン	―	―	―	?