中国で5,500トン吊り起重機船の建造スタート
2023年8月14日、上海振华重工(ZPMC)が中交第二航務工程局有限公司向けとなる5,500トン吊り起重機船の建造を開始。
この新造起重機船は、2023年5月に建造契約の調印式がおこなわれた案件だと思われます。完成イメージでは船尾にプロペラを搭載しているようですが、中国で報じられているニュース記事では自航式又はDPS搭載に関する記載は無し。建造契約締結時のニュース記事でも同様に記載はありませんでした。
洋上風力関連の作業も想定
中国国内で近年多く建造されている自航式SEP起重機船や旋回式の大型自航式クレーン船とは異なり、固定式ジブを2基搭載した5,500トン吊り起重機船の建造は珍しい。自航式もしくはDPS搭載船である可能性は高そうですが、明記されていないので不明。
船の装備は橋梁関係の作業に重点を置いているそうですが、その他の分野での作業も想定されており、洋上風力関連の作業もそのうちの1つに入っているという。洋上風力関連の作業では、風力タービン設置ではなくジャケット基礎や洋上変電所の設置作業が見込まれている。
船名 | 未定 |
クレーン能力 | 5,500トン |
長さ | 165m |
幅 | 52m |
深さ | 11m |
2023年5月に同じく上海振华重工(ZPMC)で建造が開始された5,000トン吊りの固定式起重機船のほうは、自航式でDPS(自動船位保持装置)を搭載していることが報じられています。
2,200トン吊り低頭起重機船「铁建大桥起1」
中国には自航する低頭式起重機船「铁建大桥起1」(tie jian da qiao qi 1)というユニークな起重機船が2021年10月に建造されています。日本にも同様の低頭式起重機船がいましたが、建造された理由は2隻とも同じで、空港付近の航空制限海域で作業するため。
低頭式起重機船「铁建大桥起1」は、2020年8月に着工したマカオとタイパを結ぶ「澳氹第四條跨海大橋」の建設に従事しており、橋の完成は2024年1月の予定。工事完了後は、低頭式のジブを通常のジブに交換する改造が予定されている。橋の建設が順調に進捗してるのか気になります。
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