中国のCOSCO ShippingでCadelerのX-classとして2隻目となるSEP起重機船のSteel Cutting Ceremonyが行われました。X-classのSEP船にはHuisman製の2,600トン吊りクレーンが搭載される予定。
CadelerのX-class2隻目となるSEP船の建造開始
2023年2月22日、中国のCOSCO ShippingでCadelerのX-classとして2隻目となるSEP起重機船のSteel Cutting Ceremonyが行われました。X-classのSEP船2隻の完成予定は、2024年後半、2025年前半。Cadelerが建造予定のF-classのSEP船2隻を含む完成予定については以下のような時期になっている。
搭載されるクレーン能力について。
Cadelerに掲載されている情報では、X-classのSEP起重機船に搭載されるクレーン能力について作業半径53mで2,000トン以上の吊り上げ容量を備えているという記載ですが、クレーン製造を行うHuismanに掲載されている記事を確認すると、搭載するクレーン容量は2,600トン。
The contract award follows last year’s contracts for two identical 2,600mt Leg Encircling Cranes for Cadeler’s X-class vessels.
(この契約は、Cadeler の X-class船向けの 2 つの同一の 2,600 トンのLeg Encircling Craneの昨年の契約に続くものです。)
https://www.huismanequipment.com/en/media_centre/press_releases/163-176_Huisman-to-equip-Cadeler-F-class-vessel-with-Leg-Encircling-Crane
そして、大きな特徴として、X-classのSEP起重機船2隻にデンマークのバルブメーカーFrese社のFUELSAVE技術が搭載される。船舶の冷却⽔に関するシステムで、動作するポンプ圧力を最適化することで燃費が向上し、使用燃料の節約とCO2排出量の削減につながるというもの。
X-classのSEP起重機船について
X-classのSEP起重機船についてCadelerに掲載されている情報によると、業界で最も先進的な設備を運用できるように設計されているとのこと。輸送能力を高め、設置時間を短縮、それによって洋上風力発電所の設置にかかる総コストを削減できるという。
クレーン能力 | 2,000トン以上 (作業半径53m) |
甲板スペース | 5,600m2 |
ペイロード | 17,600トン |
積載可能な 風力タービン | 15MWタービン × 7セット or 20MWタービン × 5セット |
宿泊設備 | 130人 |
輸送能力を高めるための甲板スペースは5,600m2という広さで、17,600トンの積載が可能。輸送量を風力タービンで表すと、15MWタービンで7セット、20MWタービンで5セット。
クレーン能力が同程度の2,500トン吊り「BLUE WIND」の輸送能力を見てみると、甲板スペースは4,600m2、8MWで7セット、12MWで3セット。甲板スペース1,000m2の違いで輸送量についてはかなりの差が出ますね。何か理由があるのでしょうか。
気になるマスコット「Felix」
Steel Cutting Ceremonyの記念撮影で真ん中に映っているのは、Cadelerのマスコット「Felix」。
マスコットの「Felix」はヒトデ(Starfish)をモチーフにしているそうです。どうりで首が無いと思った。
開発した目的は、建設工程全体を通して安全性に対し、常に注意を払うためらしい。ヒトデと安全がどのように結び付くのか分かりませんが、ヘルメットをかぶって保護メガネをかける「Felix」の姿は憎めない感じではあるかも。
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