海南島沖でSEP船「精铟03」による風力タービン設置
2024年9月15日、中国南部の海南島沖に建設している申能海南(Shenergy Hainan)CZ2洋上風力発電実証プロジェクトで最初の風力タービン設置作業がおこなわれました。風力タービン設置作業は、2023年12月に完成した1,000トン吊りSEP起重機船「精铟03」(JING YIN 03)で実施。
申能海南(Shenergy Hainan)CZ2洋上風力発電実証プロジェクトは、フェーズ1(71基)、フェーズ2(60基)で建設が計画されており、それぞれの発電容量は600MW、総発電容量は1,200MWになる。今回設置がおこなわれた風力タービンの出力は不明ですが、フェーズ1の発電容量を設置基数で割ると8.45MW。
施工場所の海南島沖は、先日襲来した台風11号の経路上に位置している。台風が通過したのは9月6日~7日くらいなので、およそ1週間後に1基目の風力タービンを設置したようです。
タワー、ナセル、ブレードの設置に約3日間
中国メディアによると、最初の風力タービンでブレードの設置が始まったのは9月14日8時30分。そして、3枚目のブレード設置が完了したのは9月15日11時。作業は連続しておこなわれ、1基分のタワー、ナセル、ブレード設置作業には約3日間を要するという。
2024年9月中に8基の風力タービン設置が完了する見込み。今後は設置船の隻数を増員した上で、フェーズ1の風力タービン設置を年内中に完了させる予定。風力タービンを支えるモノパイルの施工も同時に進められており、これまでに37基の設置が完了。
モノパイルの施工に関しては、2024年5月に3,000トン吊りクレーン船「天沨10」(Tian Feng 10)による設置作業が報じられていました。
1,000トン吊りSEP起重機船「精铟03」の概要
船名 | JING YIN 03 (精铟03) |
クレーン能力 | メイン:1,000トン(主) メイン:250トン(補助) 補助:150トン |
揚程 | 主フック:140m(甲板上) 補助フック:150m(甲板上) |
長さ | 115.5m |
幅 | 43.8m |
深さ | 8.5m |
レグ長さ | 113.8m |
作業水深 | 最大70m |
DPS | DP-1 |
所有会社 | KEEN OFFSHORE ENGINEERING (広東精铟海洋工程股份有限公司) |
「精铟03」の船体寸法は、長さ115.5m、幅43.8m、深さ8.5m、レグ長さ113.8m、最大水深は70m。1,000トン吊りのメインクレーンと250トン吊りの補助クレーンを搭載。メインクレーンの揚程は、メインフックが甲板上140m、250トン吊りの補助フックは甲板上150m。
2012年12月に完成し、最大で16MWの風力タービン設置が可能。
申能海南(Shenergy Hainan)CZ2洋上風力発電実証プロジェクト
申能海南(Shenergy Hainan)CZ2洋上風力発電実証プロジェクトは、海南省 儋州市の海岸から27km沖合で建設が進められており、総発電容量は1,200MW。フェーズ1、フェーズ2という2段階で計画されており、フェーズ1は2025年6月に稼働を開始する予定。プロジェクト全体の総投資額は150億元、日本円に換算すると約3,200億円。
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