シーメンス・ガメサが「Moray West」向けブレード運搬開始
Siemens Gamesaは、SNSへの投稿で「Moray West offshore wind farm」向けとなる風力タービンブレードの運搬を開始したと発表しました。
スコットランド沖で建設が進められている「Moray West offshore wind farm」では、Siemens Gamesa製の風力タービン「SG 14-222 DD」60基を設置する計画となっており、そのブレード長さは108m。ブレード製造場所のハル(Hull)から拠点港のナイッグ(Nigg)までの運搬距離は、約650km(約350海里)。そして、ブレードを運ぶ船は、Siemens Gamesaの専用運搬船「ROTRA MARE」。
運搬船「ROTRA MARE」のAIS情報を確認すると、2月14日にハルへ到着。ブレードの積み込みを終えて2月17日の夜遅くにハルを出港し、2月19日の朝7時頃にナイッグへ到着。運搬にかかった所要時間は32時間なので、平均速力は約11ノット。
Siemens Gamesaの専用運搬船「ROTRA MARE」というだけあってか、ハルのブレード製造施設前の岸壁をGoogleマップ航空写真で見てみると「ROTRA MARE」が映っていました。並べられているブレードの数の多さに驚き。
運搬船「ROTRA MARE」
船名 | ROTRA MARE |
総トン数 | 7,702トン |
載貨重量トン | 9,140トン |
長さ | 154m |
幅 | 23m |
船籍 | オランダ |
建造年 | 2009年 |
出典:Amasus Shipping
「Moray West」向けブレード製造は1年前に開始
「Moray West offshore wind farm」で設置する風力タービン「SG 14-222 DD」60基のブレード180枚はすべてハルのブレード製造施設で作られる予定。今から1年前の2023年2月に長さ108mのブレード製造開始が発表されています。108mの巨大ブレードを180枚も製造するとなると、年単位の準備が必要。風力発電所の建設には多くの人たちが関わっているということがよく分かります。
ハルのブレード製造施設は2016年に開設され、ヨーロッパの風力発電所に向けて2,000以上のブレード製造実績があるそうです。2022年には施設の生産量を2倍に拡張し、「SG 14-222 DD」の108mという巨大ブレード製造が可能になったという。
【動画】運搬船へのブレード積み込み
💪Our first B108 blades leave the factory for the Moray West offshore wind farm in Scotland, capable of powering 1.3 million homes with clean energy. These 108m blades are one of the largest being made in the UK, surpassing even Wembley Stadium's pitch length! ⚽ #WindPower pic.twitter.com/C5CcgHQ4St
— Siemens Gamesa (@SiemensGamesa) February 20, 2024
2025年には次世代洋上風力タービン部材の運搬船が完成予定
2023年5月にSiemens Gamesa、Amasus Offshore、deugro Danmark は次世代洋上風力タービン部材の運搬をおこなう輸送船2隻の建造を発表しています。2隻は中国の造船所で建造され、2025年の春から夏に引き渡しが行われる予定。
建造予定の新造船「Rotra Futura」と「Rotra Horizon」完成イメージ
出典:deugro
「Moray West offshore wind farm」の概要
「Moray West offshore wind farm」は、EDP Renewables と Engie の合弁会社 Ocean Winds および Ignitis Group によって開発されており、Siemens Gamesa「SG 14-222 DD」60基、洋上変電所2基の設置を計画している。変電所2基を含むすべての基礎は、モノパイルを採用。総発電容量は882MW、風力タービンの単機出力はパワーブーストにより14.7MWへ引き上げられる予定。
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