2,500トン吊りSEP船「海峰1001」、海上公試へ
2023年8月18日、上海振华重工(ZPMC)が中交第三航務工程局有限公司(CCCC Third Harbour Engineering)向けに建造している2,500トン吊りSEP起重機船「海峰1001」(HAI FENG 1001)が10日間のSEA TRIAL(海上公試)に向けて埠頭を出港しました。
SEA TRIAL(海上公試)では、推進装置の操舵試験による動作確認や耐久試験、速力測定、騒音振動測定など各種機器の動作確認がおこなわれる予定で、DPS(ダイナミックポジショニングシステム)のテストも予定されている。
中国国内で運用されるSEP船としては、最大となる2,500トン吊りのクレーンを搭載。建造が開始されたのは、2022年5月16日。同じく上海振华重工が中交三航局向けに建造する、4,000トン吊り自航式クレーン船「海峰2001」と1,800トン吊りSEP起重機船「海峰1002」の2隻も同じ日に建造を開始。
船名 | 海峰1001 |
クレーン能力 | 2,500トン(メイン) 380トン(補助) |
長さ | 133.8m |
幅 | 50m |
深さ | 11m |
プロペラ | アジマス 3,000kW×3(船尾) バウ 2,500kW×3(船首) |
航行速力 | 9ノット |
レグ長さ | 不明 |
最大作業水深 | 70m |
宿泊設備 | 120人 |
DPS | DP-2 |
中国では3,500トン吊りのSEP船を建造中
2,500トン吊りのSEP船「海峰1001」は、日本のSEP船「BLUE WIND」と並んで世界最大級の吊り上げ能力を持つクレーンを搭載しています。その中で、頭一つ飛び抜けて世界最大となっているSEP船は Jan De Nul が所有する3,200トン吊りクレーンを搭載した「Voltaire」。
ですが、中国では今月初めに3,500トン吊りSEP船の建造が始まっています。2024年には3,000トンを超える吊り上げ能力を持ったSEP船が3隻完成する予定となっており、世界的に洋上風力産業の拡大は継続していきそう。
船名 | クレーン能力 | 長さ | 幅 | 深さ | レグ長さ | 建造年 |
---|---|---|---|---|---|---|
Voltaire | 3,200トン | 169.3m | 60.0m | 14.6m | 130m | 2022年12月 |
未定(正力海発) | 3,500トン | 143.8m | 56.6m | 13m | 136m | 2024年末(予定) |
未定(Havfram) | 3,250トン | 151.1m | 58.0m | 不明 | 120m | 2024年(予定) |
Boreas | 3,000トン+ | 176m | 63m | 13.2m | 127.4m | 2024年(予定) |
未定(Cadeler F-class) | 3,000トン+ | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 2026年後半(予定) |
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