4,000トン吊りクレーン船「SFE Hercules」引き渡し
中国の江蘇韓通贏吉重工有限公司で建造していた Shinfox Far East Company(SFE)向けの4,000トン吊りクレーン船「SFE Hercules」が完成。アメリカ船級協会(ABS,American Bureau of Shipping)の登録情報によると、2023年8月に起工(キール敷設)がおこなわれ、2024年5月21日に竣工と記載されています。
クレーン船「SFE Hercules」は、主に洋上風力関連の設置工事を目的として建造されており、15MW以上の風力タービン基礎をはじめ、洋上変電所や大型海洋構造物などの設置をおこなうことができる。
4,000トン吊りクレーン船「SFE Hercules」の概要
クレーン船「SFE Hercules」の船体寸法は長さ200.8m、幅48m、深さ16m。メインクレーンの最大吊り上げ能力は固定吊り4,000トン、旋回3,000トン。2基のメインフックは左右対称ではなく、3,500トンと2,000トンという容量の異なるフックブロックを備えている。ブーム先端の補助フックは、1,000トン吊り。揚程はメインフックで甲板上120m、補助フックで甲板上145m。
船名 | SFE Hercules |
総トン数 | 48,524トン |
載貨重量トン数 | 30,087トン |
排水トン数 | 59,704トン |
クレーン能力 | 主フック:4,000トン(固定) 主フック:3,000トン(旋回) 補助フック:1,000トン |
揚程 | 主フック:120m(甲板上) 補助フック:145m(甲板上) |
長さ | 200.8m |
幅 | 48m |
深さ | 16m |
速力 | 10ノット |
DPS | DP-2 |
宿泊設備 | 228人 |
最大4,000トンの能力に対して2基のフックブロック容量が2,800トンと2,500トンの「巨杰4000」
現在位置は台湾の台中港
クレーン船「SFE Hercules」のAIS情報を確認すると、6月13日に江蘇省南通市を出発し、舟山と韓国の済州島沖を経由した後、6月21日に台湾の台中港へ入港。
船主である Shinfox Far East Company はシンガポールで設立した企業ですが、台湾のエネルギー企業である Shinfox Energy の子会社となっており、竣工後のお披露目が台中港でおこなわれるのかもしれません。ただ、中国で報じられている竣工後のクレーン船「SFE Hercules」甲板上には、モノパイル打設時に使用する ”杭安定化プラットフォーム” と呼ばれる巨大な架台が積まれており、近いうちにどこかの現場へ動員される可能性もありそうです。
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