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座礁船「クリムゾンポラリス」、起重機船で機関室をFDへ積込予定

座礁船「クリムゾンポラリス」、起重機船で機関室をFDへ積込予定 事件・事故
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座礁船「クリムゾンポラリス」、起重機船で機関室をFDへ積込予定

2021年8月に青森県八戸港の沖で座礁した木材チップ専用船 CRIMSON POLARIS(クリムゾン・ポラリス)の残された船尾部分のうち、2023年12月31日に八戸港中央防波堤の港内側へ移設する作業を終えた重量約1,700トンの機関室をフローティングドックへ積み込む作業が1月28日以降に予定されていることが明らかにされました。

第二管区海上保安本部発表の海上安全情報による作業周知では ”起重機船作業予定” となっているので機関室部分を積み込むために使用するのは、沈没場所から機関室部分の引き揚げをおこなった「台船+チェーンプラー」ではなく、起重機船を使用するようです。ただ、港外へ運ぶために積み込みする運搬船は普通の台船ではなくフローティングドック。

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運搬船にフローティングドックを選択した理由

普通の台船へ機関室部分を積み込みする場合、完全に吊荷を海上部分へ露出させる必要がある。一方で、フローティングドックへ積み込む場合は、半潜水させた状態の甲板深度より吊荷下側が高くなる位置まで吊り上げると積み込むことが出来るので、ある程度吊荷が海に浸かったまま積み込みが可能。メリットとしては、浮力によってクレーンで吊り上げる荷重が小さくなり、吊荷にかかる負荷が小さくなる。

台船に搭載したチェーンプラーでの引き揚げに施工方法を変更した時点で運搬船への積み込みにはフローティングドックのような半潜水式バージが必要になると思っていましたが、起重機船を使用するとなると話は変わってくる。起重機船で積み込むのであれば、フローティングドックではなくても積むことが出来るので、積み込み方法以外にフローティングドックを採用した理由があるということになる。

あくまでも想像ですが、座礁してから2年以上に渡って波浪を受けた機関室を含む船尾部分の損傷が激しく、吊り上げた時の自重を支えきれないという状態なのかもしれません。

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第二管区海上保安本部発表の起重機船作業予定

第二管区海上保安本部発表の起重機船作業予定を周知する海上安全情報によると、作業期間は1月28日から2月下旬までを予定している。現在発表されている全体の撤去完了予定は、2024年3月末。完了予定までに残された日数を考えると、機関室をフローティングドックに積み込んだ起重機船で引き続き居住区と船倉部分の撤去をおこなう可能性は高そう。

作業をおこなう起重機船とフローティングドック、それぞれ何が使用されるのか気になるところ。

撤去項目以前の工程施工方法変更使用台船の前工程遅延
(2023年8月末時点)
想定外の切れ込み
(2023年12月時点)
機関室2023年10月まで2023年10月下旬から11月上旬
居住区と船倉部分2023年11月
撤去完了2023年12月末2023年12月末2024年1月下旬2024年3月末
これまでに変更された工程
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