「South Fork Wind」で間もなく風力タービン設置開始
ニューヨーク州 ロングアイランド島東の沖合で建設されている「South Fork Wind」で、輸送台船へ風力タービン部材の積み込みが完了し、間もなく設置作業が開始されるようです。
設置する風力タービンは、Siemens Gamesaの11MW風力タービン「SG 11.0-200 DD」。設置作業をおこなうのは Van Oord が所有する1,600トン吊りSEP起重機船「AEOLUS」。
ジョーンズ法により米国内の拠点港で国外建造のSEP船へ風力タービン部材積み込みが出来ないという点は、「Vineyard Wind 1」と同様。そして、「South Fork Wind」も同じように台船で風力タービン部材の運搬をおこなうようです。
SEP船「AEOLUS」は10月末にオランダからアメリカへ到着
風力タービン設置作業をおこなうSEP船「AEOLUS」のAIS情報を確認すると、2023年10月5日にオランダのフリシンゲンを出港、10月23日にロードアイランド州のニューポートに到着。10月25日には出港して沖合の風力タービン設置エリアへ移動していました。
SEP起重機船「AEOLUS」の概要
船名 | AEOLUS |
クレーン能力 | 1,600トン |
長さ | 139.4m |
幅 | 44.46m |
深さ | 10.12m |
レグ長さ | 81m |
建造年 | 2014年 |
輸送台船には風力タービン部材1セットを積み込み
沖合の設置場所にいるSEP船「AEOLUS」へ部材を届けるため輸送台船に積まれた風力タービン部材は1セット。11MWの風力タービンともなるとブレード長さは97mにもなり、既存輸送台船のサイズや現地での吊り取り作業を考慮すると1セットが妥当と言える。この点はアメリカ国内で建設が進められている「Vineyard Wind 1」と同じ。
しかし、部材が積まれている輸送台船上の架台を見ると特に揺れを低減させるような装置が取り付けてあるようには見えない。単なる鋼製の架台に積まれているようなので、この点は「Vineyard Wind 1」と異なるようです。
出典:YouTube | Crowley
風力タービン部材の輸送をおこなうCrowleyがYouTubeで公開している部材運搬のイメージ動画でも特にSEP船で吊り取りをする際の波浪による揺れを低減させる対策は施されていない。
イメージ動画では輸送台船をSEP船に係留するため、片側に当たりの壁みたいなものを設置していますが、実際の現場では採用されていないようです。これ設置してたらエライ事が起きそうな気がするので、付けなくて正解だと思います。
実際、施工の様子が公開されれば見た目では分からない何か対策が取られている可能性もありますので、情報が公開されれば記事でお伝えします。
YouTube動画リンク先 Crowley | Crowley Offshore Wind Engineering Development
11MW風力タービン「SG 11.0-200 DD」の概要
製造メーカー | Siemens Gamesa Renewable Energy |
製品名 | SG 11.0-200 DD |
出力 | 11MW |
ローター直径 | 200m |
ブレード長さ | 97m |
掃引面積 | 31,400m2 |
出典:Siemens Gamesa Renewable Energy
「South Fork Wind」の概要
「South Fork Wind」は、Ørsted と Eversource の合弁事業によるもので、比率は50:50。2019年2月に両社は合弁事業の提携を締結し、「South Fork Wind」の他にも「REVOLUTION WIND」(700MW)の計画を進めている。
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