洋上風力O&Mに従事予定のSEP船「WIND ENERGY」

洋上風力O&Mに従事予定のSEP船「WIND ENERGY」

WIND ENERGY has left Odense Port for mobilisation at Port Esbjerg

（WIND ENERGY はエスビャウ港での活動のためオーデンセ港を出発しました）

https://ziton.eu/wind-energy-has-left-odense-port-for-mobilisation-at-port-esbjerg/

2024年2月22日、デンマークのZITONは800トン吊りSEP起重機船「WIND ENERGY」がSiemens Gamesaとの傭船契約を開始するため、オーデンセからエスビャウ港へ向けて出港したことを発表しました。

ZITONは、Siemens Gamesaと2023年4月に以前から傭船契約をおこなっていたSEP起重機船「WIND ENTERPRISE」の傭船期間延長に加えて、新たに購入して所有船舶に加わるSEP起重機船「WIND ENERGY」についても傭船に関する契約締結をおこなっていました。2隻の傭船期間は2029年末までの予定。

Siemens Gamesaへの傭船後にSEP起重機船「WIND ENERGY」が従事するのは、すでに運用されてる洋上風力発電所のO&M（Operation ＆ Maintenance）と呼ばれるメンテナンス作業。「WIND ENERGY」に搭載されているクレーンの最大吊り上げ能力は800トン、長さ102ｍのブームによる揚程は甲板上114ｍ。最大10ＭＷの風力タービンで作業が可能。

日本でも洋上風力発電所の建設が進んでくると、将来的には新規案件だけではなく運用中の風力タービンをメンテナンスする必要が出てくる。最前線の設置現場で活躍できなくなったSEP船もすぐ不要になるという訳では無さそう。いずれメンテナンスする風力タービンも大型化していきますけど。

SEP起重機船「WIND ENERGY」

SEP起重機船「WIND ENERGY」は「WIND ENTERPRISE」と同型船で、建造場所は共に韓国のDaewoo Shipbuilding & Marine Engineering（大宇造船海洋、現在のハンファオーシャン：Hanwha Ocean）。

船名	WIND ENERGY
クレーン能力	800トン
揚程	114ｍ(甲板上)
総トン数	11,730トン
長さ	100ｍ
幅	40ｍ
深さ	8ｍ
レグ長さ	79ｍ
最大作業水深	48ｍ
船籍	デンマーク
建造年	2011年12月

中国からデンマークへSEP船を輸送

2023年6月、ZITONがSEP起重機船「WIND ENERGY」の引き渡しを受けたのは中国。そこからBoskalisの半潜水式運搬船「FORTE」に積まれた状態でデンマークへ。途中、シンガポールで長さ79ｍのレグを取り外す作業がおこなわれ、スエズ運河を通るルートでデンマークへ運ばれたようです。

デンマークに到着後、オーデンセ港とFAYARDで取り外したレグの復旧や居住設備の改修、クレーン検査などを実施。

レグ復旧の様子

長さ79ｍのレグでも重量は約600トンあるそうです。

ZITONの保有SEP船　5隻