DEMEがHavframを9億ユーロ(1,440億円)で買収
2025年4月9日、DEMEはノルウェーに拠点を置く国際的な洋上風力発電請負業者であるHavframを買収する契約締結を発表しました。プレスリリースでDEMEはこの戦略的買収について、洋上風力エネルギー市場におけるプレゼンスを拡大するという目標に合致し、風力タービンおよび基礎工事における競争力を強化するものだと述べています。
Havframは、気候インフラに特化した民間投資会社Sandbrook Capitalと、カナダ最大の年金投資家の一つであるPSP Investments(Public Sector Pension Investment Board:公務員年金投資委員会)が主に所有しており、中国のCIMC Raffles OffshoreでSEP起重機船2隻「Norse Wind」「Norse Energi」を建造中。
今回の契約によりSandbrook CapitalおよびPSP Investmentsからの株式買収に加え、建造している2隻のSEP起重機船完成に必要な残りの設備投資などを含む、総額約9億ユーロ、日本円に換算すると1,440億円(1ユーロ=160円として換算)の取引になるという。契約条件に基づき、DEME Groupの100%子会社にあたるDEME Offshore Holding NVがHavfram Wind Holdco ASの全株式を取得。取引は慣例的な完了条件に従い、2025年4月末までに完了する予定。完了後、HavframはDEMEのオフショアエネルギー部門に統合されるそうです。
中国で建造している2隻の次世代風力タービン設置船

中国の山東省 煙台市にあるCIMC Raffles Offshoreで建造しているSEP起重機船は、「Norse Wind」「Norse Energi」の2隻。当初、Havframの掲載記事ではクレーン能力3,250トンとなっていましたが、直近では3,200トン吊りとなっていました。引き渡し予定についても、1番船の「Norse Wind」が2025年第4四半期、2番船の「Norse Energi」が2026年初頭となっており、少し変更されているのが確認できます。
2番船の「Norse Energi」は着工(First Steel Cutting)後、進捗情報が出ていなかったように思いますが、2025年1月24日の段階で2隻並んで船体建造を進める様子が掲載されており、順調に建造が進められているようです。

船名 | 建造番号 | クレーン能力 | 着工 | 起工 | 進水 | 引き渡し予定 |
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Norse Wind | H588 | 3,200トン | 2023年9月 | 2024年2月 | 2025年2月 | |
Norse Energi | H589 | 3,200トン | 2024年1月 | ? | ― |
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