DFOがLamprellとSEP起重機船建造に関するMOU締結

2025年5月19日、台湾に拠点を置くDong Fang Offshore(DFO、東方風能科技)はUAEのLamprell EnergyとSEP起重機船建造に関するMOU(Memorandum of Understanding:覚書)締結を発表しました。新造SEP起重機船の建造は、アジア太平洋地域で増加を続ける洋上風力発電事業へのサービス提供を目的としているという。
DFOのプレスリリースによると、船体設計はGustoMSCが手掛けておりNG-9000Xという型式。DP-2の自動船位保持装置(DPS)を備えており、15MW級の風力タービンを最大2基同時に搭載・設置することが出来る。詳細な船体寸法やメインクレーンの吊り上げ能力などは明らかにされていない。
ただ、SEP起重機船の完成イメージを見るとメインクレーンはテレスコピッククレーンを採用しているように見えます。現在稼働中のSEP起重機船でテレスコピッククレーンを搭載しているのは、清水建設の「BLUE WIND」、Seaway7の「Seaway Ventus」の2隻のみ。稼働中の2隻はともにGustoMSCによる船体設計となっており、型式は今回のNG-9000Xとは異なるNG-14000XLですが、DFOのSEP起重機船にテレスコピッククレーンが搭載されてもおかしくない。
DFOはLamprellと年末までに各種仕様について確定し、新造船建設契約を締結する予定。
Lamprellの建造実績


出典:Lamprell Energy
Lamprellは、1976年にアラブ首長国連邦のドバイで設立し、石油・ガスおよび再生可能エネルギーに関する船舶や構造物を製造している。石油・ガス関連の掘削用ジャッキアップリグの建造・改修、洋上風力関連ではジャケット基礎やトランジションピースなどを製造。
Lamprellのウェブサイトに掲載されている情報によると、2007年に自航式SEP起重機船の建造を初受注して以降、計6隻のSEP起重機船を引き渡しているという。Lamprellがこれまでに建造したSEP起重機船には、日本初の商用規模となる洋上風力発電所として商業運転を開始している「秋田港洋上風力発電所」(2023年1月)、「能代港洋上風力発電所」(2022年12月)で活躍した800トン吊りSEP起重機船「Wind Zaratan」(建設当時はSEAJACKS ZARATAN)も含まれています。
- HEA Kraken(Seajacks Kraken):2007年
- HEA Leviathan(Seajacks Leviathan):2007年
- Brave Tern:2012年
- Bold Tern:2012年
- Wind Zaratan(SEAJACKS ZARATAN):2012年
- HEA Hydra(Seajacks Hydra):2014年
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