「フェリーとしま2」1月の運航休止を発表
2023年12月29日に発生した火災により運航を休止していた「フェリーとしま2」について、フェリーを運航する十島村は1月に予定していた運航予定を休止するとホームページで発表しました。現在、鹿児島港にて修繕・調査をおこなっているようですが、影響が長期に及ぶと予想されることから1月中の運航休止を発表に至ったという。2月以降の状況についても、決まり次第発表するとのことで運航再開がいつになるのか不明な状態。
「フェリーとしま2」(FERRY TOSHIMA2)
船名 | フェリーとしま2 |
総トン数 | 1,953トン |
長さ | 93.47m |
幅 | 15.80m |
速力 | 19ノット |
旅客定員 | 297人 |
建造年 | 2018年 |
代替船での貨物輸送開始
「フェリーとしま2」運航休止に伴う代替船として、三島村の「フェリーみしま」や高速船「ななしま2」を運航。さらに、物流対策として旅客以外を運ぶ貨物輸送の代替船としてクレーン船やガット船による輸送計画が発表されています。
2024年1月11日発表の輸送計画
船名 | 船種 | 出港日 | 速力 | 出港場所 | 経由地 |
---|---|---|---|---|---|
かの号 | 310トン吊りクレーン船 | 1月12日 | 7ノット | 谷山港(鹿児島) | 谷山-鹿児島-口-中-諏訪-平-悪石-小宝-宝-鹿児島 |
立神8号 | クレーン付台船 | 1月12日 | 6ノット | 名瀬港(奄美) | 名瀬-宝-小宝-悪石-平-諏訪-中-口-宝-名瀬 |
2024年1月12日発表の輸送計画
船名 | 船種 | 出港日 | 速力 | 出港場所 | 経由地 |
---|---|---|---|---|---|
第10共栄丸 | ガット船 | 1月16日 | 10ノット | 鹿児島港(鹿児島) | 鹿児島-口-中-諏訪-平-悪石-小宝-宝-悪石-平-諏訪-中-口-鹿児島 |
不明 | ガット船 | 1月16日 | 10ノット | 名瀬港(奄美) | 名瀬-小宝-悪石-平-諏訪-中-口-名瀬 |
クレーン船・ガット船による貨物輸送はコンテナのみ
貨物輸送の代替船として計画されているクレーン船、ガット船に搭載するのはコンテナのみのようです。クレーン船2隻については、船体が大きい「かの号」の方が圧倒的に積載量が多いようですが、離島への物資運搬ということが大きな目的なので鹿児島発の「かの号」の方が必然的に積載量が多くなっているものと思われる。
船名 | 船体寸法(L×B×D) | コンテナ積載予定 |
---|---|---|
かの号 | 61m×23m×4m | 10フィート冷凍冷蔵 7基、郵便 7基、牛コンテナ |
立神8号 | 50m×18m×? | 20フィートコンテナ 3基 |
第10共栄丸 | 71.48m×13.5m×6.95m | 10フィートコンテナ 30基 |
(ガット船) | 不明 | 20フィートコンテナ 3基 |
代替船はクレーン船とガット船のようなので、全ての船にクレーンや揚荷装置といったコンテナを吊り上げる設備を搭載しています。ガット船も自船でコンテナを揚重するんでしょうか、少し気になりました。あと、鹿児島~口之島間の長距離航行を除いて基本的に日中航行する予定になっていますが、フェリーに比べて速力の遅い作業船では通常停泊しないような港で停泊するスケジュールになっており、荒天時の対応が難しそう。何より作業船乗組員の方は夜間も気が休まらないだろうなと感じました。非常時の貨物輸送で生活必需品など離島住民の方にとって必要な貨物を運ぶという重要な輸送ですが、自然には勝てないので安全運航第一に進めて欲しいところです。
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