スマート漁業大型養殖船「国信1号」
2022年5月20日、世界初の10万トン級スマート漁業養殖船「国信1号」が、中国東部の山東省(Shangdong)青島市(Qingdao)で引き渡され、運用が開始されたそうです。
「国信1号」の投資額は約4億5000万元(約85億円)で、全長249.9メートル、排水量13万トン、積載量約10万トン。船内に15個のイケスが設けられ、全船で9万立方メートル近くあり、フウセイやハタ、タイセイヨウサケなどを養殖し、年間生産量は3700トン。
第一陣として養殖されるフウセイは今秋の水揚げ・出荷を予定。
フウセイは昔、東シナ海で多く水揚げがあったそうですが、近年は殆ど水揚げされなくなった。肉は美味で中華料理などでよく使用される。
中国の養殖漁業
中国が養殖漁業の世界シェア57%を占めています。
漁業を魚を獲る方法で大きく分けると漁船漁業と養殖漁業に分けることが出来ます。
下のグラフを見ると分かりますが、生産量の合計は年々増加してますが、1987年頃から漁船漁業は横ばい、増えているのは養殖漁業の生産量だけ。世界の魚消費増加を支えているのは養殖漁業。
中国の養殖漁業は世界シェア57%でしたが、それだけ中国は消費もしてます。下右の国別の消費グラフを見ると、1人当たりの消費量はEU、ノルウェー、日本に次いで4番目。1人当たりの消費量なので国別消費量に換算すると人口の多さから中国が一番消費してます。
養殖船のメリット
世界には巨大な養殖いけすなども存在しますが、なぜ船にする必要があるのか?
台風や赤潮を回避
養殖船のメリットのひとつに定置式のいけすとは違い、容易に移動することができる点が挙げられる。定置式いけすのリスクに台風などの荒天や赤潮発生などの自然現象があります。養殖船にすることでリスクを回避し、安定した養殖を行う事が出来る。
深海水使用で水温一定
養殖水槽の水温管理において海面付近の水温は外気温の影響を受けやすく、変化が大きいのに対し、深層海水は温度が一定で、魚種にもよるが養殖で使用するのに適しているらしい。
同型船2隻と30万トン級の建造予定
今後、2024年3月までに同型船の「国信2号」「国信3号」が完成予定。さらに、2023年後半には30万トン級にグレードアップした「国信4号」を建造開始予定。
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