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中国で単機出力16MW風力タービン搭載の基礎ジャケット設置完了

中国で単機出力16MW風力タービン搭載の基礎ジャケット設置完了 洋上風力発電
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中国で単機出力16MW風力タービン搭載の基礎ジャケット設置完了

 中国では洋上に16MWの風力タービン設置をおこなう準備が整ったそうです。

 設置が進められているのは、平潭外海洋上風力発電プロジェクトという名称で福建省の東海岸沖にある平潭島へいたんとうの北東で建設している长乐(Changle)外海洋上風力発電プロジェクト エリアAの南側に位置している。計画発電容量は111MW、設置する風力タービンは11基、その内訳は8MWが4基、10MWが5基、13MWが1基、そして16MWが1基。10基の風力タービン基礎はサクションジャケットを採用し、16MWの風力タービン基礎のみサクション(吸引)ではなく、基礎杭を先行打設するジャケットを採用しているという。

 16MWの風力タービンを搭載するジャケットは、高さ68.52m、重量1,950トン。先行打設する基礎杭は4本で杭径3.5m、長さ92m。16MW風力タービン以外で採用されているサクションジャケットの形状は最大のもので高さ94.2m、重量は2,554トン。

 ジャケット設置を行ったクレーン船については特に記載がありませんでしたが、画像から判別すると4,600トン吊りクレーン船「冠盛一航」(GUAN SHENG YI HANG)。2021年8月に完成し、船体寸法は、全長168.5m、幅51.8mで、4,600トン吊りのクレーンを搭載し、最大揚程は125m。メインフック2基と補助フック1基があり、巨大なモノパイルを自船のクレーンのみで建て起こし可能。推進装置は搭載されておらず、非自航式でDPSも非搭載。

船名冠盛一航
(GUAN SHENG YI HANG)
クレーン能力4,600トン
長さ168.5m
51.8m
建造年2021年8月
4,600トン吊りクレーン船「冠盛一航」
出典:Sohu(搜狐)
非自航式クレーン船「冠盛一航」のAIS情報

 クレーン船「冠盛一航」のAIS情報を調べてみると、作業が終わったからなのか台湾海峡を南に向かって進んでいる所でした。非自航式なのでボートに曳航してもらっており、前後に1隻ずつ配置されていました。

 16MW風力タービンを設置する予定は、今回紹介した平潭外海洋上風力発電プロジェクト以外にもあるようです。冒頭の位置図に記載している「漳浦六鰲(Zhangpu Liuao)洋上風力発電プロジェクト」。2023年2月3日に着工した漳浦六鰲洋上風力発電プロジェクトのフェーズ2でも16MWの風力タービンを設置する予定ですが、どこまで建設作業が進捗しているのかは不明。

名称漳浦六鰲洋上風力
(フェーズ2)
位置福建省漳浦県 沖合
面積22.9km2
発電容量400MW
発電電力量1.6TWh/年
総投資額約60億元
世界初となる単機出力16MW風車のプロジェクトが中国で着工
漳浦六鰲洋上風力発電プロジェクト フェーズ2の着工式
出典:中国长江三峡集团有限公司
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16MW風力タービンはSEP起重機船「白鹤滩」が設置予定

2,000トン吊りSEP起重機船「白鹤滩」(Bai He Tan)
出典:三峡能源

 「冠盛一航」が設置したジャケットに風力タービンを搭載するのは、2,000トン吊りSEP起重機船「白鹤滩」(Bai He Tan)。広東省陽江の海域から作業する福建省平潭沖へ向かっているという。AIS情報を確認すると、現場まで残り100マイルほどの位置を航行中で、およそ8ノットの速力なので6月12日には到着すると思われる。

SEP起重機船「白鹤滩」(Bai He Tan)のAIS情報(6月11日21時時点)

 2,000トン吊りSEP起重機船「白鹤滩」(Bai He Tan)は、2022年9月28日に完成・引き渡しされ、まだ完成して間もない新造船。

 長さ126m、幅50mのSEP起重機船「白鹤滩」(Bai He Tan)には、DP2の自動船位保持装置が搭載されており、最大70mの水深で作業可能。搭載されているクレーン能力は最大2,000トン、水面上からの揚程は最大170m。甲板面積は4,200平方メートル、最大可変負荷は6,500トン。

 建造時の記事では最大15MWの風力タービン設置が可能という情報でしたが、16MWの風力タービン設置も問題なくこなせそうなスペックを持っている。

船名Bai He Tan
(白鹤滩)
クレーン能力2,000トン
長さ126m
50m
深さ10m
DPSDP2
建造年2022年
搭載可能重量6,500トン
デッキスペース4,200m2
レグ長さ120m
最大作業水深70m
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