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国内最大のSEP船「BLUE WIND」母港の室蘭港に初入港

国内最大のSEP船「BLUE WIND」母港の室蘭港に初入港 起重機船、クレーン船
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国内最大のSEP船「BLUE WIND」母港の室蘭港に初入港

 2023年6月10日、富山県入善町で3MW風力タービン3基の設置を終えた清水建設のSEP起重機船「BLUE WIND」が自船の母港に設定している室蘭港に初入港しました。

 6月8日17時頃に入善町での作業で拠点港にしていた石川県七尾港を出港した「BLUE WIND」は、10日13時頃に北海道の室蘭港に入港。公表されている次の作業は「石狩湾新港洋上風力発電所」で8MW風力タービン14基を設置する予定ですが、次作業に向けた準備とお披露目を兼ねて室蘭港に入港したものと思われる。

 2022年7月13日に室蘭市と清水建設は、SEP起重機船「BLUE WIND」の母港を室蘭港とする協定書締結を発表しています。開始日は2023年4月1日からで期間は5年間となっていますが、両者の合意により延長可能となっている。そして、協定書には ”清水建設株式会社は、部材・資機材調達等を通じ、長期的に地域経済への貢献に努める” と謳われており、今回の寄港は地域貢献という意味合いもあるのかもしれません。

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自航船「BLUE WIND」と非自航船「柏鶴」

 比べると少し可哀そうな気もしますが、ほぼ同時期に回航した2隻のSEP起重機船「BLUE WIND」と「柏鶴」の平均速力を比較してみることに。前提として2隻には大きな性能差があり、同じSEP船ですが自航船と非自航船という天と地ほどの差があります。

 AIS情報による回航経路から抽出した距離と発着時間から速力を計算。回航距離は分かっていますが、所要時間は計算していないので調査。柏鶴の方は常陸那珂港への入港時に時間調整しているので、沖合に到着した時間を着時間として計算。

回航距離

  • 【BLUE WIND】416マイル(770km)
  • 【柏鶴】167マイル(310km)

所要時間

  • 【BLUE WIND】44時間(6月8日17時 発 ~ 10日13時 着)
  • 【柏鶴】38時間(6月7日10時 発 ~ 8日24時 着)
船名回航距離所要時間平均速力
BLUE WIND416マイル44時間9.5ノット
柏鶴167マイル38時間4.4ノット
AIS情報から算出した推定の平均速力

 結果は「BLUE WIND」が9.5ノット、「柏鶴」が4.4ノット。単純に考えて「BLUE WIND」で3日間かかる距離の回航であれば、「柏鶴」が同じ距離を回航すると倍の日数かかるので6日以上は必要になる。

 距離が遠くなるほど所要日数の差は大きくなりますが、施工する上で顕著な違いが出るのは日々おこなう近距離の移動時かと思われる。部材の積み込みで資材ヤードに帰港する場合を考えると、作業場所と港が5マイル程度離れている時に「BLUE WIND」は30分で帰港できますが、「柏鶴」は1時間かかることになる。

 ランニングコストの費用差がどの程度になるのか想像できませんが、建造時に費用をかけた分だけの仕事はしてくれるということなのかも。

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