大金重工とUlsteinが次世代洋上設置船の設計契約締結


2026年9月22日、UlsteinはDajin Heavy Industry(大金重工)と次世代洋上設置船の設計契約を締結したと発表。
大金重工は洋上設置船の開発にあたり、オランダのUlstein Design & Solutions B.V.によって設計された「ULSTEIN HX122」を採用。Ulsteinの特許である「U-STERN」と「X-BOW」を特長とする「ULSTEIN HX122」はモノパイル、ジャケット基礎、洋上変電所の設置に最適化されており、より大型かつ複雑化する洋上風力発電プロジェクトの需要増大に対応するという。
すでに大金重工は製造、重量物海上輸送、基礎部材のマーシャリングといった一貫したサービスを提供していますが、洋上設置能力を加えることで既存の事業領域を拡大し、洋上風力発電のバリューチェーン全体にわたり、より統合されたサービスを提供。プロジェクト遂行時における関係者間の調整を簡素化し、プロジェクトリスクの低減を目指している。
本プロジェクトは、Dajinの事業領域を製造・物流・輸送から洋上設置業務へと拡大するものです。既存の能力に洋上設置能力を付加することで、Dajinは洋上風力発電のバリューチェーン全体にわたり、より統合されたサービスを提供し、プロジェクト遂行時における関係者間の調整(インターフェース)を簡素化することを目指しています。
「U-STERN」と「X-BOW」により過酷な洋上環境下での操船性を向上

より大型の基礎構造物や複雑化する洋上風力発電プロジェクトの将来的な設置要件を見据えて開発された「ULSTEIN HX122」。広い作業甲板、高度な吊り上げ能力、自動船位保持装置(DPS)、そしてUlstein独自の革新的な船体設計を組み合わせている。
革新的な船体設計のなかで大きな特長となるのは、「U-STERN」と「X-BOW」。

「U-STERN」は2023年4月に発表され、洋上風力タービンの大型化に伴い、サイズアップしていくモノパイル基礎の設置という重大な課題に対する解決策として開発。巨大なモノパイルの輸送・建て起こし・設置という一連の動作を安全でスマートに施工できる船舶設計ソリューションとして発表。大きな特長は、船体中心線に沿ってモノパイルを縦方向に収納し、建て起こしが出来るという構造。この構造により、長尺のモノパイルを甲板に積載しても船体側面への張り出しが無く、設置作業中に船体が波に正対できるため、船体の動揺と燃料消費を最小限に抑えることができるという。
さらに「X-BOW」との組み合わせにより、操船性の向上、船体動揺の改善、そして過酷な洋上設置作業における稼働可能期間の拡大を実現する設計となっている。
「ULSTEIN HX122」のクレーン能力は標準仕様で8,000トン吊り

Ulsteinのウェブサイトに掲載されている「ULSTEIN HX122」のスペックは、標準仕様で長さ230m、幅61.6m、クレーンの最大吊り上げ能力は8,000トン。
8,000トンというクレーン能力に驚きますが、世界最大のクレーン船「Sleipnir」(全長220m)より長い船体長さ230mも驚異的。
| 型式 | ULSTEIN HX122 |
| クレーン能力 | 8,000トン |
| 長さ | 230.0m |
| 幅 | 61.6m |
| 喫水 | 7.5m~11.0m |
| 甲板面積 | 10,000m2 |
| 甲板強度 | 15~30トン/m2 |
| 速力 | 12ノット |
| 宿泊設備 | 150~200人 |
ちなみに、五洋建設がSeatriumで建造している5,000トン吊り大型基礎施工船(HLV,Heavy Lift Vessel)もUlsteinによる船体設計で「ULSTEIN HX118」を採用しています。「U-STERN」および「X-BOW」搭載という点はどうようなので似ていますが、ひと回り小さい。
| 型式 | HX122 | H119 | HX118 | HX104 |
|---|---|---|---|---|
| 長さ | 230.0m | 216.3m | 210.0m | 174.0m |
| 幅 | 61.6m | 56.0m | 56.0m | 36.0m |
| クレーン能力 | 8,000トン | 5,000トン | 5,000トン | 2,000トン |
| 甲板面積 | 10,000m2 | ― | 8,500m2 | 3,600m2 |
| 喫水 | 7.5~11.0m | 8.0m | 7.5m~10.0m | 7.0m |
| 収容人員 | 180人 | 100人 | 150人 | 500人 |


















よく読まれている記事