竹ベースの新素材を使用した浮体式太陽光発電プラットフォーム
2023年10月28日、烟台中集来福士海洋工程有限公司(CIMC Raffles Offshore)と中国林業集団の子会社にあたる中林緑碳(北京)科技有限公司が共同で開発・建造した浮体式太陽光発電プラットフォーム「集林一号」の海上設置作業が完了。
プラットフォーム建造に使用されている主材料は竹をベースにした新素材。様々なプロセスを経て作られるという新素材は、従来の鋼製構造に比べて軽量なのはもちろん、低コストで海洋腐食や耐衝撃性に強いという特長がある。そして何より環境に優しいという。
今回、製造した「集林一号」は海上に設置され、実証試験がおこなわれるそうです。将来的には製品規模を拡大する開発がおこなわれ、低コストで環境負荷の少ない洋上太陽光発電普及に向けた取り組みを促進するとしている。
「竹」素材を使うとは良いところに目をつけてるなという印象。軽くてしなやかでありながら丈夫というイメージの「竹」はいい働きをしそう。少し調べると日本でも竹繊維を使ったプラスチック複合材料の開発がおこなわれているようなので、業界ではそこまで目新しい材料ではないのかもしれません。海洋構造物として採用したのが斬新なのかも。
洋上太陽光発電でプラットフォームに搭載するのは太陽光パネルなど、重量が比較的重たくない機材なので、ある程度の強度があればプラットフォームとして機能を果たしそう。耐久性や成形加工技術など規模をスケールアップする上で問題はあるかもしれませんが、普及する可能性はありそうな気がします。
設置場所は烟台市の沖合
海域への設置が完了した浮体式太陽光発電プラットフォーム「集林一号」の後ろに映っているのは、半潜水式クレーンユニット「海市蜃楼」(HAI SHI SHEN LOU)。以前は、「OOS PROMETHEUS」という船名でしたが、2021年に変更されたようです。
半潜水式クレーンユニット「海市蜃楼」のAIS情報を確認すると、山東省 烟台市の沖合にいました。なので浮体式太陽光発電プラットフォーム「集林一号」もその近くに設置されているというになる。中国の報道記事では、煙台高新技術開発区にあるCIMC洋上太陽光発電実証試験基地の海域で実施されているという説明でした。
実証試験レベルの小さなプラットフォームなので、付近を航行する船舶が気付かずに衝突して破損する恐れがありそう。
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