発想というかアイデアが斬新な係留アンカーの設置方法。
設置する地盤によっては設置できない場所もありますが、設置できる場所であれば多くのメリットがあり、インパクトの強い商品になりそうな気がしました。
SEPLA
「SEPLA」とは、イギリスに本社を置くActeon Groupが特許を取得しているサクションパイルとプレートアンカーを組み合わせたアンカー設置方法。どちらも単体ではそこまで目新しいものではありませんが組み合わせることで非常に効果的なものに変化している感じ。
Acteon Groupのウェブページでも ”A PATENTED INNOVATION” (特許取得済みのイノベーション)という書き出しで製品紹介されてます。
A PATENTED INNOVATION, THE SEPLA (SUCTION EMBEDDED PLATE ANCHORS) IS THE UNIQUE COMBINATION OF TWO PROVEN ANCHORING CONCEPTS – SUCTION PILES AND PLATE ANCHORS.
(特許取得済みのイノベーションであるSEPLA(サクション埋め込みプレートアンカー)は、2つの実証済みのアンカーコンセプト(サクションパイルとプレートアンカー)の独自の組み合わせです。)
https://acteon.com/products-services/anchor-sepla-fabrication-installation/
SEPLA設置方法
SEPLA とは、Suction Embedded Plate Anchor という意味だそうです。翻訳すると”吸引埋込プレートアンカー”。
プレートアンカーに繋がるチェーンの尻手は、吊り下げ時にサクションパイル天端に脱落防止用の鋼材と一緒に載せてます。これも効率的でいいアイデア。
サクションパイルは回収するので繰り返して使用可能。
陸上でも係留設備が無い場所に係留設備を設置する方法として、コンクリート製の方塊ブロックや鋼材を埋め込む方法は一般的。地盤を掘削出来ない場所では、反力にする物自体が大きくなり、効率的とは言えませんが、地盤を掘削できる場所であれば、鋼材と敷鉄板を組み合わせにより少ない鋼材量で絶大な反力を得る事が出来ます。
ただし、同じことを海の底でやるとなると話が変わってくる。
アンカーを埋め込むことにより、少ない鋼材量で大きな把駐力を得ることが出来きるというのは同様ですが、海中で行うと掘削、埋め戻しの時に濁りが出てしまう。粘性が低い地盤など海底の地質によっては所定の深度まで到達するのに広範囲を掘削しなければならないし、潮流などで施工中に埋め戻ってしまう可能性もある。
”設置位置が固定され精密配置が可能”というのは、通常のアンカーを設置した場合だとどうしてもアンカーの爪が海底地盤を掻くまで動いてしまいますが、サクションパイルで海底に埋め込むのでアンカー位置が動かないということ。
まず、設置できる場所が限定される。サクションパイルでの貫入が可能な場所でしか使用できない。これはデメリットではないかもしれませんが、使用が限定されるのでマイナスポイントですね。
次に、撤去はどうするの?という問題。通常のアンカーであれば回収は容易ですが、埋め込まれたアンカーを回収するには地盤を掘削するしかないかも。埋め殺し前提で設置するしかないですね。
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