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家畜運搬船にも紅海周辺の影響、積荷の牛や羊に過酷な長距離航行

家畜運搬船にも紅海周辺の影響、積荷の牛にとって過酷な長距離航行 船舶
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家畜運搬船にも紅海周辺の影響、積荷の牛や羊に過酷な長距離航行

家畜運搬船「BAHIJAH」のAIS情報(2024年1月23日時点)

2024年1月5日にオーストラリア西部のフリーマントルを出港した家畜運搬船(Livestock Carrier)「BAHIJAH」が紅海周辺の治安悪化を理由にオーストラリアへ引き返すという事態が起きているという。

家畜運搬船「BAHIJAH」は生きた状態の牛や羊など数千頭を積んでオーストラリアのフリーマントルを出港し、紅海の奥にあるアカバ湾に面したヨルダンのアカバへ向かって航行していました。しかし、紅海周辺を航行する船舶の治安状況悪化を理由に、紅海を通過するアカバへの航行を断念して行き先を南アフリカのイースト・ロンドンへ変更。

しばらくは南アフリカを目指して航行していたものの、1月19日にオーストラリア政府の農林水産省は家畜運搬船「BAHIJAH」に積まれた家畜の健康と福祉を確保するために船舶を運航する輸出業者に対し、直ちに貨物をオーストラリアへ返還するよう指示を出した。この指示を受けて家畜運搬船「BAHIJAH」は現在、オーストラリアのフリーマントルへ向けて航行している。19日時点ではオーストラリア政府の発表によると船に積まれた家畜の健康や福祉に関する重大な懸念は報告されていないという。

Australian Government | Department of Agriculture, Fisheries and Forestry の発表【2024年1月19日】

MV Bahijah livestock export to the Middle East

(MV Bahijahの中東への家畜輸出)

https://www.agriculture.gov.au/about/news/mv-bahijah-livestock-export-middle-east
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家畜運搬船「BAHIJAH」

船名BAHIJAH
総トン数7,907トン
載貨重量トン12,892トン
長さ136m
22m
船籍マーシャル諸島
建造年2010年
家畜運搬船「BAHIJAH」
出典:FleetMon | master1963
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なぜ生きた家畜を輸送するのか?

イスラム教徒はラマダーンと呼ばれる断食月に断食をおこなう。ラマダーンにあたる断食月はヒジュラ暦を基にしているため、我々が普段使用している暦からすると毎年11日ほど早くなるという。2024年のラマダーンは2024年3月10日から2024年4月8日とされている。

家畜運搬船「BAHIJAH」がオーストラリアから運ぼうとしていた牛や羊も今年のラマダーンに向けたものである可能性が高い。ここで素朴な疑問として浮かんでくるのは、なぜ生きたままの家畜を運ぶのか?ということ。輸出前に精肉したものを出荷すれば ”家畜の健康や福祉” という問題も解決できると思いますが、なぜ?

理由の1つとして中東の一部の国では、宗教に従って家畜を屠殺できるように精肉したものではなく生きた家畜を輸入しているという。なるほど。

世界中の人に信仰する宗教を選ぶ権利があり、何をどう信じるかはそれぞれ。お互いに尊重するべきと考えるのは理想的ですが、いつしか自己中心的になり、自分の考えを他人に押し付けることで争いが生まれ、現在の状況に至っているのかもしれない。宗教を理由に効率的な方法が選択できないというのは、何とも歯がゆい気持ち。

1981年に設立されたオーストラリアの動物福祉団体「RSPCA Australia」は、今回の件に関してXへの投稿で生きたままの家畜輸出を禁止するべきだと述べている。

RSPCA AustraliaのX投稿【2024年1月20日】

(翻訳)

この試練全体は、生きたままの輸出が本質的に危険であり、オーストラリア政府がこれらの船に乗った動物の福祉を守ることができないことを示しています。

オーストラリアの羊がこの運命に苦しむのを止める唯一の方法は 法律を制定することです。

X | RSPCA Australia(@RSPCA
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