オーストラリア農林水産省が家畜運搬船によるイスラエル向け輸出承認
2024年3月1日、オーストラリアの農林水産省は家畜運搬船(Livestock Carrier)「BAHIJAH」でのイスラエル向けとなる家畜輸出に関して、輸出業者による意向通知を承認したと発表。
家畜運搬船「BAHIJAH」は以前、1月5日にオーストラリア西部のフリーマントルを出港し、紅海の奥に位置するヨルダンのアカバへ向かって航行していましたが、紅海周辺を航行する船舶の治安状況悪化という理由から行き先を南アフリカのイースト・ロンドンへ変更。その後、1月19日にオーストラリアの農林水産省から家畜運搬船「BAHIJAH」に積まれた家畜の健康と福祉を確保するため、直ちに貨物をオーストラリアへ返還するよう指示が出され、フリーマントルへ帰港したという経緯があります。
オーストラリア農林水産省が家畜運搬船による家畜輸出を承認した声明では、輸出業者の計画に紅海を通らないルートでイスラエルへ輸送されることが盛り込まれているという。
この情報を見て率直に思ったのは、紅海を通らないからといってイスラエルへの家畜輸送を公言することによって家畜運搬船「BAHIJAH」が危険にさらされることはないのか?という点。何も起こらなければいいんですけど。
家畜運搬船「BAHIJAH」に積まれていた牛と羊の80頭以上死亡
Since 5 January 2024, total mortalities stand at 4 (0.18%) cattle and 64 (0.45%) sheep on board the MV Bahijah, which are below the reportable mortality levels, and 7 cattle and 6 sheep on land.
(2024年1月5日以降、MV Bahijahの総死亡率は牛4頭(0.18%)、羊64頭(0.45%)で報告死亡率レベルを下回っており、陸上では牛7頭、羊6頭となっている。)
https://www.agriculture.gov.au/about/news/mv-bahijah-live-updates
1月5日にオーストラリアのフリーマントルを出港して再びフリーマントルに帰港した家畜運搬船「BAHIJAH」に積まれていた家畜のうち牛4頭、羊64頭が死亡し、さらに荷下ろし後の陸上で牛7頭、羊6頭が死亡したという。しかし、オーストラリア農林水産省によると、今回の死亡頭数に関して報告可能な死亡率レベルを下回っていると述べている。逆に言えば、普段の輸送ではもっと多くの牛や羊が亡くなっているという事実の方に驚きました。
記載されている死亡率から積み込んでいた全体頭数を計算すると、牛は約2,200頭、羊は約14,200頭。
報道されている情報によると、現在フリーマントルに停泊している家畜運搬船「BAHIJAH」では飼料や物資の積み込み作業がおこなわれており、完了後に再び牛2,000頭と羊14,000頭の積み込みがおこなわれるという。積まれる家畜の頭数は前回と同様のようです。
家畜運搬船「BAHIJAH」
船名 | BAHIJAH |
総トン数 | 7,907トン |
載貨重量トン | 12,892トン |
長さ | 136m |
幅 | 22m |
船籍 | マーシャル諸島 |
建造年 | 2010年 |
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