2025年を振り返る 注目度の高かったニュース記事

2025年を振り返る 注目度の高かったニュース記事 国内ニュース

5.愛媛県松山市沖で貨物船「卓洋丸」とガット船「第三大晴丸」衝突事故

2025年12月18日19時ごろ、愛媛県松山市沖の釣島つるしまから西へ約2kmの海上で貨物船「卓洋丸」(TAKUYO MARU)とガット船「第三大晴丸」(TAISEI MARU NO. 3)の衝突事故が発生。

報道情報によると、貨物船「卓洋丸」の船尾付近にガット船「第三大晴丸」が衝突。「卓洋丸」は衝突により浸水し、沈没する可能性があるということですが、乗組員5人は第三大晴丸に救助され無事。「第三大晴丸」の乗組員6人にもケガはないという。

第六管区海上保安本部は、事故発生からおよそ1時間後の12月18日20時に緊急情報を発表。貨物船「卓洋丸」が浸水し、無人・無灯火で漂流していることを発表し、付近を航行する船舶へ注意喚起をおこなっています。

貨物船「卓洋丸」とガット船「第三大晴丸」の航跡
出典:Marinetraffic

4.周防灘でタンカー「誠徳丸」と「SPINNER II」の衝突事故

2025年11月27日18時20分ごろ、山口県防府市野島南方の周防灘でプロダクトタンカー「誠徳丸」とプッシャーバージ「SPINNER II」の衝突事故が発生。

テレビ山口の報道情報によると、衝突によりプッシャーバージは押船とバージが切り離され、押船に乗っていた船長を含む5人の乗組員はヘリで救助されたという。切り離されたプッシャーバージの押船とバージは、それぞれが別の山口県内の島に漂着。

プロダクトタンカー「誠徳丸」には4人が乗船していましたが、けがはなく、浸水や油の流出も確認されていない。タンカーは自力航行が可能で徳山下松港まで航行。

3.カナリア諸島沖で「ONE Continuity」のコンテナ倒壊

アフリカ大陸の北西沿岸に近い大西洋上にあるカナリア諸島沖を航行していたコンテナ船「ONE Continuity」で悪天候により積荷のコンテナが倒壊し、一部海上に流出する事故が発生。

コンテナ船「ONE Continuity」は東京、シンガポール、ロッテルダム、ハンブルク、ル・アーヴルなどを経由するFP1と呼ばれる航路で輸送をおこなっており、事故当時はフランスのル・アーブルを出港してシンガポールへ向かっていた。

AIS情報を見ると、12月8日(グラン・カナリア島の現地時間:UTC+0)の時点では順調に航行していたようですが、日付が変わった12月9日03時39分に速力は10ノット以下になり、12月9日09時ごろにはほぼ停止している状態に。どの段階で積荷のコンテナが倒壊したのは不明。その後、コンテナ船「ONE Continuity」は航海を一時中止し、12月10日08時ごろ、グラン・カナリア島のラス・パルマスへ入港。

報道されている情報によると、「ONE Continuity」に積まれていたコンテナのうちおよそ45個が海上に流出し、倒壊したコンテナの下敷きになっている複数のコンテナが押しつぶされた状態。初期調査の結果、船尾側のコンテナ10列が倒壊しているという。

ラス・パルマス入港の翌日にあたる12月11日、倒壊して不安定になっているコンテナを荷降ろしする作業を開始。

2.ドイツで建造している郵船クルーズの「飛鳥Ⅲ」進水

2025年1月18日、ドイツのマイヤー・ヴェルフト造船所(Meyer Werft)で建造しているクルーズ船飛鳥Ⅲ」(アスカスリー)の進水がおこなわれました。

日本郵船グループの郵船クルーズは、2023年9月に新しいクルーズ船の船名「飛鳥Ⅲ」を発表し、2025年の夏に就航することを明らかにしています。さらに、船籍港(母港)を「横浜」に設定、「飛鳥Ⅲ」就航後も「飛鳥Ⅱ」は引き続き就航し、2隻体制での運航になるという。

新造クルーズ船「飛鳥Ⅲ」は、2023年秋にマイヤー・ヴェルフト造船所で鉄鋼切断式(First steel cutting ceremony)がおこなわれ、建造を開始。日本のクルーズ船で初めてLNG燃料と陸上電力受電装置を採用し、環境への負荷を低減したエコシップという側面も持ち合わせている。

総トン数で日本最大のクルーズ船「飛鳥Ⅱ」を上回るとされている「飛鳥Ⅲ」ですが、乗客定員を減らして充実したサービスにより豪華な旅を提供する。

船名飛鳥Ⅱ飛鳥Ⅲ
総トン数50,444トン52,000トン
乗客定員872名約740名
建造年1990年2025年(予定)
新造クルーズ船「飛鳥Ⅲ」船名発表、2025年夏頃に日本就航予定
横浜を航行する新造クルーズ船「飛鳥Ⅲ」(イメージ図)
出典:NYK Line
クルーズ船「飛鳥Ⅲ」の建造タイムライン

1.ロサンゼルス港でコンテナ船「One Henry Hudson」火災発生

2025年11月21日、アメリカ西海岸のカリフォルニア州ロサンゼルス港に停泊していたコンテナ船「One Henry Hudson」で火災が発生。

ロサンゼルス市消防局(LAFD,Los Angeles Fire Department)の発表情報によると、火災発生は11月21日18時38分。火災はデッキ下の複数の階層で発生し、そのほとんどはアクセス不可能な場所だったという。同日20時ごろ、船体中央部で爆発が発生して船内照明とクレーン電源を喪失。船体は傾くことなく安定した状態でしたが、爆発および火災の影響を受けた複数の区画で危険物質が検出されたため、LAFDの危険物処理チームが継続的な大気監視を実施。煙の測定値は正常範囲内に留まっていましたが、万全を期すために統合司令部はサンペドロとウィルミントンの住民に対し、予防的な屋内退避命令を発令。船内状況が悪化したため、統合司令部は全消防隊員に船外への退避を命じ、消火活動はマスターストリームと呼ばれる長距離放水が可能な先端ノズルを用いて安全な距離から継続。

11月22日03時ごろ、統合司令部の各機関はコンテナ船「One Henry Hudson」をロサンゼルス港からヴィンセント・トーマス橋を通過して沖合へ曳航するための作業を調整。その間も消火活動や監視作業は継続。同日04時43分、コンテナ船「One Henry Hudson」はエンジェルズ・ゲート灯台(Angel’s Gate Lighthouse)付近の岸から約1マイル(約1.6km)に移動を完了。まだ火災は鎮火していないため、消火活動は継続。

火災による負傷者は報告されていない。コンテナ船「One Henry Hudson」が港外へ移動したことにより周辺住民に対する屋内退避命令はすべて解除。

2025年11月27日、ロサンゼルス港の防波堤沖に移動していたコンテナ船「One Henry Hudson」が港内のコンテナターミナルへ移動。

アメリカ沿岸警備隊(USCG,United States Coast Guard)は、11月26日にコンテナ船「One Henry Hudson」をロサンゼルス港内のターミナルへ移動させる準備を進めていることを明らかにしていました。港への帰港準備として船体の安定性を評価し、積載しているコンテナのラッシング作業を完了。26日発表の情報によると、ターミナルへ到着した後、「One Henry Hudson」に積まれているコンテナの荷降ろしと消火活動で船内に溜まった水を除去する作業がおこなわれる予定。消火で使用した水はすべて貨物室内に封じ込められており、船内の使用済み消火用水は沿岸警備隊の監督下で降ろされ、バージやトラックで廃棄物受容施設へ運ばれ処理されるという。

11月28日、ロサンゼルス港での火災事故を受けてコンテナ船「One Henry Hudson」船主は共同海損(GA,General Average)を正式に宣言。

Yusen Terminalへの移動後、消火活動で貨物倉に溜まった水を放出する作業開始が発表されたのは12月18日。この時点でコンテナの荷降ろし作業はおこなわれていない。12月19日、貨物倉の排水作業が完了。12月23日の更新情報によると、一部のコンテナで初期の荷降ろし作業が開始されたという。

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あとがき

最後まで読んで頂きありがとうございます🙇

早いもので2025年も今日で最後。

2025年の1年間で投稿した記事数は298。2024年は698だったので半分以下の投稿数という結果になりました。あらためて数字で見ると減り具合に自分でも驚き。色んなニュースや企業のプレスリリースを見るのが好きで平日でも帰宅後は日課のようになっているんですが、気になる情報を掘り下げて調べても記事にする時間が無いというのが実情です。休日に時間を気にせず調べ物をしたり、ゆっくり記事を書いている時が至福の瞬間という日々。

2025年の年間PV(Page View)数は約31万PV。2024年は約43万PVだったので13万PV減少。しかしながら、投稿数が半分以下になっていることを考えると投稿数に対するPV数の割合は増加しているとも受け取れます。

もっと記事内容の充実を心掛けるとともに、”分かり易い記事” を目標に興味深いニュースをお届けできるよう2026年も変わらずブログ運営を継続していきたいと思います。

今後ともをよろしくお願いします。

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