ドイツで建造している郵船クルーズの「飛鳥Ⅲ」進水


出典:MEYER WERFT
2025年1月18日、ドイツのマイヤー・ヴェルフト造船所(Meyer Werft)で建造しているクルーズ船「飛鳥Ⅲ」(アスカスリー)の進水がおこなわれました。
日本郵船グループの郵船クルーズは、2023年9月に新しいクルーズ船の船名「飛鳥Ⅲ」を発表し、2025年の夏に就航することを明らかにしています。さらに、船籍港(母港)を「横浜」に設定、「飛鳥Ⅲ」就航後も「飛鳥Ⅱ」は引き続き就航し、2隻体制での運航になるという。
新造クルーズ船「飛鳥Ⅲ」は、2023年秋にマイヤー・ヴェルフト造船所で鉄鋼切断式(First steel cutting ceremony)がおこなわれ、建造を開始。日本のクルーズ船で初めてLNG燃料と陸上電力受電装置を採用し、環境への負荷を低減したエコシップという側面も持ち合わせている。
総トン数で日本最大のクルーズ船「飛鳥Ⅱ」を上回るとされている「飛鳥Ⅲ」ですが、乗客定員を減らして充実したサービスにより豪華な旅を提供する。
船名 | 飛鳥Ⅱ | 飛鳥Ⅲ |
総トン数 | 50,444トン | 52,000トン |
乗客定員 | 872名 | 約740名 |
建造年 | 1990年 | 2025年(予定) |

出典:NYK Line
- 2023年9月船名発表
船名「飛鳥Ⅲ」及び船籍港(母港)を横浜にすることを発表
- 9月鋼材切断式(Steel Cutting Ceremony)
ドイツのマイヤー・ヴェルフト造船所(Meyer Werft)にて建造着工
- 12月キール敷設式(Keel Laying Ceremony)
ドック内での建造開始
- 2025年1月進水
建造建屋からの進水時にファンネル設置
- 2025年春ドイツから日本へ回航
- 2025年夏頃日本にて就航予定
進水時にファンネル設置

出典:MEYER WERFT
建造建屋から出てくるクルーズ船「飛鳥Ⅲ」の進水に合わせて船の煙突であるファンネルの設置作業がおこなわれました。2台のクレーンで吊り上げられたファンネルの下を「飛鳥Ⅲ」が通過し、船体中央からやや後方付近に来たところでファンネルを設置。
画像を見るとファンネルを設置するクレーンの最大揚程付近まで巻き上げているのが確認できますが、ファンネルと通過する「飛鳥Ⅲ」上部のクリアランスは僅か。この状況から建屋内の門型クレーンでは揚程が足りず設置できないため、このような設置方法になったと思われる。
白地に赤いラインという「二引」のファンネルマークは、郵便汽船三菱会社と共同運輸会社の合併により誕生した日本郵船の社旗となっている旗章で、二社の合同を表わしているそうです。
クルーズ船「飛鳥Ⅲ」進水前の記念撮影には多くの関係者

建造ドック内で進水前のクルーズ船「飛鳥Ⅲ」をバックにおこなわれた記念撮影には約1,500人の関係者が集まったそうです。巨大なクルーズ船建造には多くの人が携わっており、予定しているスケジュール通りに建造工程を進めることの大変さが伝わってくる1枚。
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