ドイツのエネルギー企業EnBWとプロジェクトパートナーであるドイツ航空宇宙センターは、洋上風力でのドローン活用を目的としたオフショアドローンチャレンジのエントリー条件と飛行タスクを初めて公開。技術者の開発心を触発するプロジェクトが始まるようです。
洋上風力でドローン活用を目指す オフショアドローンチャレンジ
EnBW and DLR invite drone manufacturers and service providers to enter the Offshore Drone Challenge
(EnBW と DLR は、オフショア ドローン チャレンジに参加するドローン メーカーとサービス プロバイダーを招待します)
https://www.enbw.com/company/press/entry-conditions-and-flight-tasks-for-the-drone-challenge.html
2023年3月22日、ドイツのエネルギー企業EnBW(Energie Baden-Württemberg)とプロジェクトパートナーであるドイツ航空宇宙センター(DLR,Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt)は、洋上風力でのドローン活用を目的としたオフショアドローンチャレンジ(Offshore Drone Challenge)のエントリー条件と飛行タスクを初めて公開。
オフショアドローンチャレンジは、EnBWとドイツ航空宇宙センターが共同で実施する「Upcoming Drones Wind Farm (UDW) project」の一環として行われるようです。基本的に焦点を当てているのは、洋上風力発電所のメンテナンス作業。ドローンはすでに風力タービンの検査などで小型ドローンが使用されていますが、目指しているのはドローンによるメンテナンス機器の輸送。最終的にはドローンによる人員輸送も視野に入れているという。
発表されたオフショアドローンチャレンジへのエントリー条件として、参加資格は企業や研究機関などの法人のみで、個人での参加は出来ない。2023年7月31日までに関連する申請書類を提出し、ドローンの技術データや洋上風力での使用事例に関する適合性などについて書類審査があり、2023年9月に合否が通知される予定。
オフショアドローンチャレンジの飛行タスク
ドローンによる実際の飛行は、2024年6月にドイツ航空宇宙センターの無人航空機システム国立試験センター(National Experimental Test Center for Unmanned Aircraft Systems)で行われる予定。海上での運用を目的としていますが、飛行試験は安全面やコスト面を考慮して陸上で行う。
最終的には、航空産業、保険関係、UAM(Urban air mobility)、風力産業など様々な分野から選ばれた代表者で構成される審査員団により勝者が決定されるそうです。
用意されたコースには7つのタスクがあり、それぞれを完了させる必要がある。
1 | Ground Handling | 地上での基本操作 |
2 | Lifting the load | 荷物の持ち上げ |
3 | Cruise flight Optional BVLOS flight | 巡航飛行 追加選択として目視外飛行 |
4 | Flight to the landing pad and landing the drone | 着陸台への飛行とドローンの着陸 |
5 | Precisely setting down the load | 正確に荷物を下ろす |
6 | IT handshake Drone requests approach, flight continues after clearance | 通信確認 ドローン接近要求、 排除後も飛行継続 |
7 | Hovering Holding a set position for certain headings | 空中停止 設定した一定の進路を保持 |
公開されたタスクを見ると、難しい課題になりそうなのはドローンで荷物を運ぶという点。荷物がどの程度の重量なのかは記載されていませんが、重たい荷物を運搬して目的の場所に正確に下ろすという動作は難易度が高そう。
日本でも空飛ぶクルマの飛行実験が行われていたので、技術的にドローンで荷物を輸送することは出来そうですが、ドローンによる自律飛行や目視外飛行となるとさらにハードルは高くなりそう。でも遅かれ早かれ、将来的にはドローンが活用される時代が来るんでしょうね。
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