ドイツの北海で建設中のKaskasi offshore wind farm(カスカジ洋上風力発電所)で38基の風車タービン設置作業が完了。その内、いくつかの風車でリサイクル可能なブレードを使用しているそうです。
Kaskasi offshore wind farm
ドイツのヘルゴラント島から北へ35kmの北海に建設中のKaskasi offshore wind farm(カスカジ洋上風力発電所)で38基の風車タービン設置作業が完了。すでに3分の2以上のタービンが電力の供給を開始しており、2022年末までには38基すべての風車タービンが稼働し、約40万世帯相当のグリーン電力が供給される見込み。
リサイクルが難しいブレードの再生技術
38基の風車タービンのうち、いくつかの風車でSiemens Gamesaが開発を進めているリサイクル可能なブレードを試験的に採用。全数では無いようですが結構、画期的なことのような気がします。
タワーやナセルなど多くのタービン部品でリサイクルが行われていますが、ブレードに使用されている複合材料はリサイクルが困難で、これまでは埋め立て地に処分されることが多いそうです。リサイクルとは程遠い感じ。
Siemens Gamesa Renewable Energyが掲載している記事によると、RecyclableBlade(リサイクル可能なブレード)は、技術的な創意工夫によって開発。ブレード製造プロセスの唯一の変更は、新しい樹脂だそうです。それだけ?
RecyclableBlade技術は陸上・洋上の両方で利用可能で、開発中の SG 14-222 DD で使用される長さ108メートルのブレードと、SG 14-236 DD の長さ115メートルのブレードにも使用できるそうです。
Kaskasi offshore wind farmの概要
Kaskasi offshore wind farmでは、リサイクル可能なブレードを使用するだけでなく、他にも革新的な技術のテストを行っている。それが、「カラー付きモノパイル設置」と「バイブロハンマーによる打設」
カラー付きモノパイル設置
3つのモノパイルで高さ7m、重量170トンのカラーが設置されたようです。カラーは海底に着底した後、モノパイルとの間のスペースをグラウト材で埋めることで構造的な強化が見込まれるそうです。
バイブロハンマーによるモノパイル打設
モノパイルの打設に使用されたバイブロハンマ―のメーカーであるCAPE Hollandに記載されている情報によると、バイブロハンマーにより打設したモノパイルは7本。
施工に使用されたバイブロハンマ―は「CAPE VLT-640 Triple」。大型のバイブロハンマーを3連にしたウソみたいなバイブロ。
偏心モーメントは1,920kgm。
日本のバイブロでリースしている最大のバイブロが「VM4-36000A」。偏心モーメントは360㎏m(36,000kg㎝)。これの5倍以上なのでどれだけ大きいか想像できる。
ただ、他の記事を見ると支持力増加のために急遽モノパイルの下端にコンクリートのカラーを設置することになり、バイブロハンマーによる最終深度までの打設は出来なかったようだ。
バイブロハンマーによるモノパイルの建て込みから打設をおこなったのは5,000トン吊りのクレーン船「Seaway Strashnov」。
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