風力タービンブレード設置時の動きを制御する解決策

風力タービンブレード設置時の動きを制御する解決策 洋上風力発電
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風力タービンブレード設置時の動きを制御する解決策

Travelling Load Stabilising System
出典:Huisman

Huisman and Siemens Gamesa launch solution for controlled blade installation

(Huisman と Siemens Gamesa が、ブレードの設置を制御するためのソリューションを発表)

https://www.huismanequipment.com/en/media_centre/press_releases/163-189_Huisman-and-Siemens-Gamesa-launch-solution-for-controlled-blade-installation

 2023年4月20日、Huisman と Siemens Gamesa は風力タービンのブレード設置時に動揺を制御し安定させるための解決策「Travelling Load Stabilising System」を開発したと発表。開発した方法は、ナセルやタワー設置時にも同様に動きを制御することが出来るとしている。

 比較的重量が軽いブレードはクレーンから吊り下げられた状態だと風による影響を強く受け、設置が困難になる。設置時の待機時間を軽減し、繊細なクレーン作業を要求される風力タービン設置時の精度や安全性などすべての面で完全性を向上させるため、さまざまな用途に使用できるクレーン用の吊荷安定化装置「Travelling Load Stabilising System」を開発したと述べている。

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2組のタガーで吊荷の動きを制御

 「Travelling Load Stabilising System」は、吊荷を制御するため2組のタガーを組み合わせた構成になっている。1組はクレーンブームに沿って上下するトロリーに取り付けられた水平方向のタガーで、フックブロックの動きに自動で追従する。もう1組はクレーンの先端から展開される垂直方向のタガー。2つの異なる方向から吊荷の動揺を制御することで優れた安定性を発揮する。

タガーとは?

タガー(tugger)とは、物を引っ張って移動させる装置のことで、クレーンに付属する吊荷の振れ止めや呼び込みに使用するウインチラインのこと。常に一定の負荷がかかる状態の自動巻きタイプもある。タグボート(tugboat)のタグと意味合いは同じ。

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汎用性の高い「Travelling Load Stabilising System」

 水平方向のブームトロリーに取り付けられたタガーは、かなり画期的な気がします。一般的なクレーンでもタガーを備えているものは多いですが、ブームのフレームを上下するトロリーは見たことが無い。吊り上げ開始位置と据付位置の高低差がある場合、タガーの位置が固定だと高低差によって水平方向のベクトルが相対的に小さくなるので、水平方向に吊荷を制御する力が弱くなる。常に水平を保持してフックに追従するというタガーは非常に効果的。

 このシステムは、Huismanの掲載記事にも ”for universal application” (汎用性アプリケーション向け)と書かれていますが、洋上風力だけではなく陸上の風力タービン設置時にも効果的。さらに、風力タービン設置に限らず、ありとあらゆる作業で使える万能な吊荷制御システムかも。多くの人があったらいいなと思っていたものが具現化した感じ。

 「ゴーゴー!のりものタウンでっかいのりもの特集2」に登場するタワークレーンやジブが油圧で伸縮するタイプのクレーンには取付が難しそう。

Vimeoに掲載の「Travelling Load Stabilising System」の紹介動画

動画リンク先 Huisman Equipment | Travelling Load Stabilising System

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