水深60mに沈む貨物船「白虎」引き揚げ開始
![](https://crane1000.com/wp-content/uploads/2023/08/started-hoisting-chain-attached-to-cargo-ship-byakko-submerged-at-a-depth-of-60m-01-1024x576.jpg)
2023年8月17日、今治沖の水深60mに沈む貨物船「白虎」の船体に取り付けられたチェーンが巻き上げられ、引き揚げ作業が開始されました。報道されている情報によると、18日には海面付近まで船体が引き揚げられ、19日には小部湾への曳航がおこなわれるという。
「白虎」引き揚げに向けた準備として、吊り上げ用チェーンの取り付けは2023年3月に開始。そして、チェーンを巻き上げる装置を搭載した2隻の台船「STEEL HUB-9」と「STEEL HUB-10」を使用して「白虎」を引き揚げる。船体に取り付けたチェーンの巻き上げに加えて、「白虎」のバラストタンクに空気を送り込み浮力も利用しているという。
全長約170mという大きな船体をそのまま引き揚げるというサルベージ作業は世界的に見ても珍しい。
船名 | 白虎 |
船種 | RO-RO貨物船 |
総トン数 | 11,454トン |
長さ | 169.98m |
幅 | 26.0m |
建造年 | 2020年 |
![](https://crane1000.com/wp-content/uploads/2023/03/started-preparations-to-salvage-the-cargo-ship-byakko-that-sank-due-to-a-collision-in-the-kurushima-strait-02.jpg)
出典:Shin Kurushima Dockyard
小部湾で半潜水式運搬船に搭載?
作業が順調に進むと19日には小部湾へ曳航されるという予定。小部湾へ到着したところで台船2隻のチェーンプラーで「白虎」を吊っている状態では安全な状態とは言えない。
チェーンプラーを使用した引き揚げでは、最終的に半潜水式運搬船に搭載されることが多いので「白虎」も同じ方法が取られるはず。「セウォル号」引き揚げの時も船体を半潜水式運搬船「WHITE MARLIN」に搭載しています。「WHITE MARLIN」の全長は216.7m、幅63m、甲板スペース177.6m×63m、載貨重量トン数は72,146トン。
「セウォル号」引き揚げの様子
![](https://crane1000.com/wp-content/uploads/2022/04/セウォル引き上げ-01-1024x576.jpg)
![](https://crane1000.com/wp-content/uploads/2022/05/セウォル号搭載-1024x576.jpg)
「セウォル号」よりも大きな船体の「白虎」を搭載する半潜水式運搬船が何なのか?
深田サルベージ建設が所有する半潜水式バージ「OCEAN SEAL Ⅱ」でも全長141.02m、幅36.0m、載貨重量トン約24,000トン、甲板スペースは恐らく約120m×36mなので「白虎」を搭載すると50mくらいオーバーハングするので厳しそう。外国の重量物運搬船を手配していると思われる。
船名 | 白虎 | セウォル号 |
総トン数 | 11,454トン | 6,825トン |
長さ | 169.98m | 146.61m |
幅 | 26.0m | 22.2m |
沈没場所の水深 | 60m | 44m |
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