ULSTEIN設計による中国の洋上風力向けSOV船2隻が進水
Twin launch for Shanghai Electric SOVs
(上海電気向けのSOV 2隻進水)
https://ulstein.com/news/twin-launch-for-shanghai-electric-sovs
2023年9月16日、ZPMCで建造中のUlstein設計による上海電気向けSOV船2隻の進水式がおこなわれました。
洋上風力向けSOV船の特徴として、DPS(自動船位保持装置)や船から洋上風車へ渡るための動作補償機能をもつギャングウェイの搭載に加えて、メンテナンス技術者を作業場所となる複数の洋上風車に派遣する為、大容量の宿泊設備を備えています。Ulsteinの掲載記事によると、進水した2隻のSOV船はそれぞれ100室と60室の宿泊設備を搭載。
2022年11月30日に起工式がおこなわれており、運用開始は2024年の予定。
進水した2隻は船型の異なるSOV船
型式 | SX195 | SX197 |
長さ | 93m | 72.8m |
幅 | 18m | 17.5m |
喫水(最大) | 6.0m | 5.5m |
載貨重量トン数 | 3,200トン | 1,700トン |
速力 | 13ノット | 12.7ノット |
宿泊設備 | 80~120人 | 50~60人 |
建造している2隻のSOV船は同型船ではなく異なる船型となっており、Ulsteinの「SX195」と「SX197」と呼ばれる型式。船首側からの撮影画像しかないので船体の大きさや形状が分かりにくいですが、船首にヘリパッドを搭載しているSOV船「至臻」(Zhi Zhen)が全長93mのSX195、もう一方のSOV船「至誠」(Zhi Cheng)が全長72.8mのSX197。
ULSTEIN X-BOW および X-STERNを搭載
出典:ULSTEIN
出典:ULSTEIN
2隻には共通してULSTEINのX-BOWとX-STERNと呼ばれる船首および船尾形状を採用している。
先日、神戸港に入港した「NATIONAL GEOGRAPHIC RESOLUTION」やグリーンランド東部で座礁した「Ocean Explorer」など、SOV船以外のクルーズ船にも数多くの船舶でULSTEINのX-BOWが採用されている。
X-BOWとは?
X-BOWはinverted bow(逆船首)と呼ばれる船首の形をコンセプトとして設計され、水切角はあるもののほぼ垂直に切り立ち、斧のような外観が特徴的な船首。荒天航行時に船首が水面上に出てしまう事が少ないのでスラミングと呼ばれる船体が水面に叩きつけられる現象が起こりにくい。さらに、波による速度損失が低減され、速力の向上や燃料消費の削減につながるという効果がある。
出典:ULSTEIN
出典:ULSTEIN
X-STERNとは?
X-STERNは、X-BOWの効果を船尾側に導入したもの。従来の船型に比べ後進時のスラミングを大幅に低減させる効果があるそうです。乾舷が高く水面との距離が大きいので安全である反面、その形状からアンカーを取り扱う作業をおこなう船種などには採用できない。
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