硫黄島で新島誕生
硫黄島南にある翁浜沖で火山噴火が発生して噴出したマグマや土砂が堆積し、新しい島がつくられています。2021年8月から断続的に噴火が発生している硫黄島南部の翁浜沖約1km付近では10月末に直径約100mの新島が形成されているのが確認され、11月23日におこなわれた無人航空機を使った観測で南北450m、東西200mに拡大していることが確認されました。
噴火によって発生した大量の岩石が積もって新たな島が形成され、マグマの噴出も確認されており高温のマグマに海水が直接触れる「マグマ水蒸気爆発」が起きていて、噴火が続く限り島は拡大する可能性があるとみられている。
海上保安庁も火山活動継続中の注意喚起
第三管区海上保安本部は2023年11月10日に緊急情報を発表し、付近を航行する船舶へ注意喚起をおこなっています。噴火活動により岩石などの噴石を含む噴煙は高さ50mを超え、高い時は200m程度まで上がっているという。
硫黄島航空基地
硫黄島には海上自衛隊と航空自衛隊の基地が置かれています。島名の由来にもなっている噴出する火山性ガスの二酸化硫黄などにより特有の臭いが立ち込めており、基地関係者以外の民間人の立ち入りは出来ない。
周囲に有人島が存在しないため、空母艦載機による陸上空母離着陸訓練 (FCLP、Field Carrier Landing Practice)および夜間離着陸訓練 (NLP、Night Landing Practice)がおこなわれている。これについては、空母艦載機の拠点である岩国飛行場から硫黄島が遠く、緊急着陸用の飛行場が確保できないため安全性に大きな懸念があることから、恒久的な FCLP 施設の確保として、鹿児島県の種子島から西へ12kmの位置にある馬毛島で国内最大規模の基地整備事業がおこなわれています。
活発な隆起活動により海に沈めた船が出現
硫黄島では地殻変動や火山活動による隆起活動によって海に沈んでいた船が姿を現すという現象が起きている。出現した船は第2次世界大戦後、米軍が船から貨物を荷役する時に波浪の影響を少しでも緩和するため防波堤の役割を果たす目的で沈めた船。
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