中国で洋上船舶から商用ロケット「Gravity-1」打ち上げ成功
2024年1月11日、中国のOrienspace(東方空間)は山東省海陽市沖合に配置した重量物運搬船の甲板上から商用ロケット「Gravity-1」(引力-1号)を打ち上げました。「Gravity-1」に搭載されていた気象衛星Yunyao-1(云遥一号)18号~20号の3機は、およそ高度500kmの地球周回軌道(LEO,Low Earth Orbit)へ投入され、打ち上げは成功したという。
洋上でのロケット打ち上げに使用されたのは全長163mの重量物運搬船「东方航天港」(DONGFANGHANGTIANGANG)。画像で見る限りチェーンアンカーを打っているようなのでDP制御ではなく、アンカーで係留している状態から打ち上げがおこなわれたものとみられる。
重量物運搬船「东方航天港」(DONGFANGHANGTIANGANG)
船名 | 东方航天港 |
長さ | 163m |
幅 | 40m |
船籍 | 中国 |
ペイロードの大きな「Gravity-2」「Gravity-3」開発中
Orienspaceでは今回洋上からの打ち上げがおこなわれた「Gravity-1」の他に「Gravity-2」「Gravity-3」を開発しているようです。
ロケット名称 | 高さ | 直径 | 重量 | 離陸推力 | ペイロード LEO | ペイロード 500km SSO | ペイロード GTO | ペイロード LTO |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Gravity-1 | 29.4m | 3.8m/4.2m | 405トン | 600トン | 6.5トン | 4.2トン | ― | ― |
Gravity-2 | 60m | 4.2m/5m | 927トン | 1,420トン | 25.6トン | 19.1トン | 7.7トン | ― |
Gravity-3 | 60m | 4.2m/5m | 1,250トン | 1,450トン | 30.6トン | 20.5トン | 9.6トン | 8トン |
- LEO:地球周回軌道(Low Earth Orbit)
- SSO:太陽同期軌道(Sun-synchronous orbit)
- GTO:静止トランスファー軌道(Geostationary Transfer Orbit)
- LTO:月遷移軌道(Lunar Transfer Orbit)
【動画】「Gravity-1」打ち上げの瞬間
まるで爆発でもしたかのような煙をあげて発射されるロケット。打ち上げ後の運搬船デッキがどんな状態になっているのか気になるところ。
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