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【ガイアの夜明け】SEP船「BLUE WIND」風車設置に密着

【ガイアの夜明け】SEP船「BLUE WIND」風車設置に密着 洋上風力発電
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【ガイアの夜明け】SEP船「BLUE WIND」風車設置に密着

テレビ東京系列で毎週金曜夜10時~10時54分に放送されている「日経スペシャル ガイアの夜明け」。2024年、新年最初の放送となる1月5日に放送されたのは「ニッポンの風をつかめ! ~巨大洋上風力の最前線~」。

現場は2024年1月1日に商業運転開始が発表された「石狩湾新港洋上風力発電所」。清水建設が500億円を投じて建造した2,500トン吊りSEP起重機船「BLUE WIND」による8MWの風力タービン「SG 8.0-167 DD」を設置する作業が紹介されていました。

石狩湾新港洋上風力発電所の概要
  • 国内最大の8MW洋上風車設置
  • 国内最⼤規模の洋上⾵⼒と蓄電池を保有する施設
  • 設置位置:北海道 石狩湾新港、沖合1.6km
  • 発電容量:設備容量112MW(接続容量99MW)
  • 風力タービン:Siemens Gamesa SG 8.0-167 DD、8MW、14基
  • 風車基礎:着床式、ジャケット式(重量750トン)、先行杭
  • 売電先:北海道電力ネットワーク株式会社、売電期間20年
  • 運転開始:2024年1月

プロジェクトの事業者は、株式会社グリーンパワーインベストメントおよび株式会社JERAで構成される特別目的会社(SPC,Special Purpose Company)の合同会社グリーンパワー石狩。そして、建設工事のうち陸上工事は鹿島建設、洋上工事は清水建設と日鉄エンジニアリングによる共同事業体が施工。

番組内容的には、洋上工事のJVスポンサー企業として自社船であるSEP船「BLUE WIND」を投入している清水建設の入社4年目女性現場監督に焦点を当て、失敗や困難に直面しながらも奮闘する様子を中心に番組構成されています。もっと技術的な部分で問題を解決した点や独自の創意工夫を採用しているみたいな部分を詳しく紹介して欲しかったという思いは感想としてありますが、実際のSEP船「BLUE WIND」による現場作業状況や船内居住区の様子などはとても貴重な映像でした。

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2,500トン吊りSEP起重機船「BLUE WIND」の概要

船名BLUE WIND
クレーン能力2,500トン
揚重高さ(2,500トン仕様)116.5m
揚重高さ(1,250トン仕様)158.5m
長さ142m
50m
深さ11m
喫水6.2m
総トン数28,000トン
DPSDP2
搭載可能重量10,000トン
デッキ強度10t/m2
デッキスペース4,600m2
レグ長さ90m(最大109m)
スパッドカン160m2
アジマススラスター3,800kw(5,167ps)×3
3,200kw(4,351ps)×1
トンネルスラスター3,200kw(4,351ps)×2
最大航行速度11ノット
最大乗船人数130名
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※1月19日(金)22:53まで期間限定無料配信中

地上波で放送されたのは2024年1月5日(金)夜10時~。BSテレ東で翌々週の1月16日(火)夜10時~放送予定。地上波で放送を見逃してしまった私はBSテレ東での再放送を楽しみに待っていましたが、1月19日(金)22:53までという期間限定でテレビ東京の「ネットもテレ東」というウェブページで無料配信されていると知り、すぐに視聴することが出来ました。興味ある方は是非、期間限定なのでお早めにどうぞ。ちょくちょくスキップ出来ない広告が出てきますがそこまで気になりませんでした。

【期間限定】無料配信は1月19日(金)22:53までとなっています

リンク先 テレビ東京 | ネットもテレ東 | ガイアの夜明け「ニッポンの風をつかめ!巨大洋上風力の最前線」

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SEP船ジャッキアップ作業、4時間の予定が15時間

番組の中で最も興味深いと思った部分は、SEP起重機船「BLUE WIND」が風力タービン設置場所でジャッキアップする場面。番組内で紹介されている「BLUE WIND」による作業の様子は、設置予定14基のうち12基の設置が完了し、13基目の設置が開始された9月6日から始まる。

9月6日午前5時、石狩湾新港の岸壁から出港した「BLUE WIND」は2時間後の午前7時に設置をおこなう13基目のジャケット基礎付近に到着。ナレーションによる説明では、ジャッキアップ位置の水深は22m。レグ長さ90mの「BLUE WIND」最大作業水深は45mなので施工上は問題無い水深。

居住区最上階の6階にある操舵室でレグを下げる操作が始まる。しかし、水深22mの海底にレグが着底した後も船体を持ち上げることは出来ず、海底から10m下にレグ底部が埋まっても反力は確保できない状態。最終的に海底から何mレグが埋まったのか説明はありませんでしたが、操舵室内での会話を聞く限り想定外という感じ。1基目ならともかく、付近の場所で12回以上はジャッキアップしてるはずなのに、想定外な雰囲気は少し違和感がありました。結局、「HULL UP」(船体上昇)作業が完了したのは開始から15時間以上が経過した午後22時20分。

SEP船の要と言えるジャッキアップ作業の難しさを物語っている場面であることは間違いないと思いました。風力タービン設置が終わってレグを引き抜く作業にどれだけ時間を要したのか気になるところですが、その場面は登場せず説明もありませんでした。

あともう一点、SEP船ジャッキアップの場面を見て思ったのは、操舵室でジャッキアップ操作をしている方が深田サルベージの方ということ。深田サルベージ建設は、SEP船「BLUE WIND」の運航管理を委託されているので当然なんですが、見た目の作業着で清水建設と深田サルベージという所属会社の区別がされているようでした。

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元海上自衛隊員の司厨長

SEP船「BLUE WIND」には現場監督や作業員をはじめ関係する多くの方が乗船しており、その人数は約120人。

風力タービン設置作業では「BLUE WIND」の自船甲板上に2基分の部材を搭載。設置のために海域へ行くと、1基当たり3日の予定で2基の設置が完了する約1週間は陸に帰らず作業をおこなうという。

1日の仕事が終わっても陸に上がれない特殊な環境下で大勢の乗船者を食事という面でサポートしているのは、元海上自衛隊員の司厨長。船内での食事は無料のビュッフェスタイルで夜食を含めて4食が食べ放題となっており、種類も豊富で見た目も美味しそう。司厨長はインタビューに応じ、料理でストレス発散、気分転換をしてもらい、食べる方の期待に応えることは非常にやりがいがあると答えていました。全力でサポートする司厨長の姿勢に感動。

番組で放送されていない部分でもトラブルや困難な場面はあったと思う。しかし、多くの人がそれぞれの役割を果たすことで大きなプロジェクトも進めることが出来るということをあらためて感じました。今後もSEP起重機船「BLUE WIND」の活躍に期待。

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世界のサルベージ オペレーション

来島海峡で水深60mの海底に沈んだ全長約170mの「白虎」引き揚げをはじめ、日本国内でも多くのサルベージオペレーションがおこなわれています。
世界各地で実施されている困難なサルベージの数々を紹介。

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SEP起重機船 世界ランキング 2023

世界的な再生可能エネルギーへの転換に伴い、洋上風力発電の建設は勢いを増すばかり。
風力タービン設置の専用船ともいうべきSEP起重機船も数多く建造され、大型化する洋上風車に対応するべく既存船アップグレードがおこなわれている。
世界のSEP起重機船56隻のランキングに加えて新造船22隻の建造情報を一覧で紹介。

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