最大長さ105mの風力タービンブレードを運ぶ巨大航空機の開発
アメリカのRadiaは、陸上の風力タービンブレードを輸送する大型航空機の開発をおこなうという。開発する巨大航空機「WindRunner」は全長108m、翼幅80m、高さ24m、最大で長さ105mの風力タービンブレードを輸送することが出来る。
Radiaのウェブサイトでは、「WindRunner」の大きさを説明する比較対象に量産された機体としては世界最大のAn-124 ルスラーンを引き合いに出し、いかに「WindRunner」が巨大であるかをアピールしています。
日本でのシチュエーションを想像すると需要は無そうな気がしますが、ターゲットにしているのはアメリカと北アフリカ。離着陸には1,800mの滑走路が必要。広大な土地がある場所ならば、途方もない距離の輸送インフラを整備するより、滑走路を建設するほうが効率的なのかも。
名称 | WindRunner |
長さ | 108m |
翼幅 | 80m |
高さ | 24m |
最大積載容量 | 長さ:105m 高さ:7.3m 幅 :7.3m 重量:72.5トン |
必要滑走路長 | 1,800m |
巡航速度 | マッハ0.6 |
航続距離 | 2,000km |
既存インフラでは巨大化する風力タービンを運べなくなる
ウェブサイトの中でRadiaは、建設と維持管理が容易であるという点から洋上風力発電に比べて陸上風力発電の方が実用的であると述べています。その上で、最大限のコストパフォーマンスを引き出すためには現在、そして将来的に最大出力の風力タービンを設置する必要があるという。
しかしながら、長さ100mを超えるブレードは既存の陸上インフラを使用した輸送に適していない。このボトルネックを解消するのが巨大航空機「WindRunner」。
風力タービン大型化を考えると、近い将来日本でも同じ問題が陸上風力発電では起こるのでしょうか。
送電網に接続しない地産地消のエネルギーとしての活用方法も
単機出力の大きな風力タービンを設置することで効率は向上し、発電コストが低くなるということは理解しやすい。しかし、陸上インフラが整っていないような僻地だと電力需要のある場所へ送電網を介して送電するコストが高くなる場合がある。
Radiaは、発電した電力を従来の送電網へ接続するだけではなく、データセンターなど近隣工場への電力供給やグリーン水素、グリーンアンモニアなどの生産にも最適であると述べています。
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