台湾の大彰化2b&4で14MWの風力タービン設置開始

2025年4月16日、Ørstedは台湾の「Greater Changhua 2b and 4 offshore wind farms」(大彰化2b&4洋上風力発電所)で最初の風力タービン設置が完了したことを発表しました。
「Greater Changhua 2b and 4 offshore wind farms」は、台湾中西部の彰化県沖にSiemens GamesaのSG 14-236 DDを66基設置する計画で総発電容量は920MW。今回設置が発表されたのは設置する風力タービン66基のうち最初の1基目。
風力タービン設置作業をおこなっているのは、CadelerのM-class1隻目となる2,600トン吊りSEP起重機船「Wind Maker」。以前、Ørstedが明らかにしていた通り14MW風力タービン4基分の部材を自船に積み込んで施工をおこなっているようです。
風力タービン基礎にはサクションバケットジャケットを採用しており、全66基のうち半数の33基をPetrovietnam Technical Services Corporation(PTSC)、残る33基を韓国のHSG Sungdongがそれぞれ建造・供給する予定。サクションバケットジャケットの高さは約80m、1基当たりの重量は約2,300トン。Ørstedが公開した画像には風力タービン設置が完了したジャケットに加えて、背後に設置完了したジャケット3基を確認することができます。


SEP起重機船「Wind Maker」

CadelerのM-class1隻目となる2,600トン吊りSEP起重機船「Wind Maker」は、韓国のHanwha Ocean(旧 大宇造船海洋:DSME)で建造され、2025年1月に引き渡しがおこなわれたばかりの新造船。
「Wind Maker」の船体寸法は長さ153m、幅56m、深さ11.5m。船体設計は「NG-16000X」と呼ばれるGusto MSCによる設計を採用。メインクレーンはHuisman製で最大吊り上げ能力2,600トン、揚程は不明。甲板面積は5,400m2でDYNPOS(AUTR)(IMO Class2相当)のダイナミックポジショニングシステムを搭載し、最大作業水深は65m。
船名 | Wind Maker |
クレーン能力 | 2,600トン |
揚程 | 不明 |
長さ | 153m |
幅 | 56m |
深さ | 11.5m |
レグ長さ | 109m |
最大作業水深 | 65m |
推進装置 | (船首)格納式アジマススラスター 3.5MW×2基 (船首)トンネルスラスター 3MW×1基 (船尾)アジマススラスター 3.5MW×4基 |
速力 | 9.5ノット |
DPS | DYNPOS(AUTR) (IMO Class2相当) |
甲板面積 | 5,400m2 |
宿泊設備 | 130人 |
彰化県沖のAIS情報

SEP起重機船「Wind Maker」で設置した1基目の風力タービンが大彰化2bと4のどちらなのか気になったのでAIS情報を調べると、彰化県沖ではたくさんの作業船が活躍していました。
SEP起重機船「Wind Maker」は大彰化2bで作業中。同じエリア内にはサクションバケットジャケットの設置をおこなっている5,000トン吊りクレーン船「Aegir」も確認。さらにジャケット運搬をおこなっているとみられる半潜水式運搬船「BLACK MARLIN」「BLUE MARLIN」もいました。
「SFE Hercules」「Seajacks Zaratan」
他にも「Taipower Offshore Wind Project Phase II」でジャケット設置作業をおこなっている4,000トン吊りクレーン船「SFE Hercules」や2024年5月に建設を完了しているchagfang 2に800トン吊りSEP起重機船「Seajacks Zaratan」がいました。
「BLUE WIND」「Green Jade」
最も気になったのは、「Hai Long Offshore Wind」(海龍洋上風力発電所)にいる清水建設のSEP起重機船「BLUE WIND」。2025年4月15日から16日に日付が変わる頃、台中港を出港してHai Long 2のエリアへ向かい、同日午後に現場到着。いよいよ、「BLUE WIND」も14MW風力タービン「SG 14-222 DD」の設置が始まるようです。
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